消費者が職域別もしくは地域別に、消費生活向上のために結成する協同組合。生活協同組合、略して生協ともいう。消費者は、この組合を基盤にして生活の安定と向上を図るが、組合の活動は、生活必需物資の廉価供給にとどまらず、文化・教育など広義の生活の充実に及ぶ。具体的には、組合員の生活必需物資の購入・加工・流通、生活のための共同施設の運用、生活改善教育、文化向上のための事業の運営、生活改善のための運動の展開などを行う。
消費生活協同組合の源流は、1844年イギリス、ランカシャー州のロッチデールで、28人の織物工が1ポンドずつを拠出して結成したロッチデール公正開拓者組合Rochdale Pioneers' Equitable Societyである。そこで採用されたロッチデール原則、すなわち1人1票、市価販売、現金販売、剰余金購買高比例配分、政治的・宗教的中立、教育尊重は、その後の協同組合の基本原則となった。
日本の消費生活協同組合は消費生活協同組合法(1948年)によっている。この法律によれば、組合の種類には地域組合と職域組合の2種がある。組合が行うことができる事業は、生活必需物資の供給、共同施設の提供、生活改善・文化向上、共済(保険)、組合員教育、以上に付帯する事業の6種である。一定の地域または職域に属する個人は、自由に組合員となり、あるいは脱退することができる。組合の最高機関は総会であるが、1000人以上の組合員を有する組合では、100人以上からなる総代会をもって総会にかえることができる。組合員は出資口数の多少にかかわらず、1人1個の議決権をもつ。組合の管理運営は、総会で選挙された理事(5人以上)と監事(2人以上)による。近年、日本における生協の発展は目覚ましいが、それとともに小売業界との紛争や、ずさんな経営など問題も多くなっている。
[森本三男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…1948年に制定された日本の消費生活協同組合法は,同法に基づいて設立された協同組合はその名称に消費生活協同組合もしくは生活協同組合という語を用いなければならないことと定め,またそれ以外の団体がその名称にこれらの語を用いることを禁止している。しかしこのような法律上の定義とは別に,消費者による協同組合をひろく総称して生活協同組合ということも多く,この場合には消費(者)組合などと同義である。…
※「消費生活協同組合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新