もともと人間の労働には,(1)労働対象に働きかける方法を考える頭脳的エネルギーの支出と,(2)その働きかけそのものである肉体的エネルギーの支出という二つの要素がある。資本主義の発展とともに技術が進歩するにつれて,この2要素はしだいに分業化され,(1)を主要な内容とする精神労働が,機能を(2)に限定された肉体労働とは区別される職業として自立するようになった。技術の創造と応用,生産組織の企画と運営,医療や教育,芸術的創作などが,その具体例である。〈精神労働と肉体労働の分離〉は一般に社会的労働の生産力を高める。しかしそれはまた,後者に対する前者の操作や支配という新しい階層間の問題をひきおこしている。
執筆者:熊沢 誠
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
東日本大震災を受け2011年6月に成立した津波対策推進法で、故事「稲むらの火」にちなみ、11月5日と定めた。江戸時代の1854年11月5日(旧暦)、安政南海地震で大津波が発生。現在の和歌山県広川町で...