花電車(読み)ハナデンシャ

デジタル大辞泉 「花電車」の意味・読み・例文・類語

はな‐でんしゃ【花電車】

祝賀などの際に、造花電球・旗などで美しく飾って運転する電車
ハナサキウミウシ科の軟体動物浅海にすむ。体は小判形をし、体長約10センチ。貝殻はない。背面樹枝状突起があり、体色は赤・黄・白色の斑状。刺激を受けると発光する。本州中部以南に分布

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精選版 日本国語大辞典 「花電車」の意味・読み・例文・類語

はな‐でんしゃ【花電車】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 祝賀や記念などのために、花や色電球、旗などで美しく飾って運転する路面電車。明治期には客を乗せたが、大正以後は見るだけのものとなった。
    1. [初出の実例]「街鉄の花電車 日比谷公園門前なる例の街鉄の装飾電車は五日更に青杉葉を添へ」(出典:風俗画報‐二九八号(1904)征露雑項)
  3. ( 見せるだけで客は乗せないところから ) 女陰で種々の芸をする見世物
    1. [初出の実例]「面白さとそのエスプリは、戦争前の、玉の井にあった『花電車』の生々躍動に比べて、数等下ちるものでした」(出典:現代風俗帖(1952)〈木村荘八〉私の東京)
  4. ハナサキウミウシ科の大形のウミウシ。房総半島以南の潮下帯に分布し、アジモの中にすむが、まれにしかとれない。体長約一〇センチメートルの楕円形で、貝殻はもたない。背面は白黄色で、緑・赤・白などの多くの短い突起があり、刺激を受けると全面から青白い光を発するのでこの名がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「花電車」の意味・わかりやすい解説

花電車
はなでんしゃ

祝賀行事や外国貴賓歓迎または観光祭りなどのとき運転される装飾電車。祭りの花山車(だし)や花馬車の風俗を電車にも適用したものであろう。車体の外部を造花、モール、旗、紅白幕、色電球などで飾りたて、初めは乗客も乗せたが、のちには走るのを観賞するだけのものとなった。花電車の始まりは、1905年(明治38)に東京の市電が行った日露戦争凱旋(がいせん)将兵歓迎のもの。その後、東京では28年(昭和3)の御大典記念など十数回行われ、第二次世界大戦後も59年(昭和34)の皇太子御成婚を祝って行われたが、交通事情悪化のためこれを最後になくなった。しかし、路面電車廃止にあたって最終日に運行されるお別れ花電車は、その後も行われた。

[山内まみ]

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動植物名よみかた辞典 普及版 「花電車」の解説

花電車 (ハナデンシャ)

学名Kalinga ornata
動物。海産動物

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