隔世遺伝(読み)カクセイイデン

デジタル大辞泉 「隔世遺伝」の意味・読み・例文・類語

かくせい‐いでん〔‐ヰデン〕【隔世遺伝】

先祖返り」に同じ。
祖先、特に、祖父または祖母に似ること。祖先のもつ潜性形質が、子孫世代分離して現れる。

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精選版 日本国語大辞典 「隔世遺伝」の意味・読み・例文・類語

かくせい‐いでん‥ヰデン【隔世遺伝】

  1. 〘 名詞 〙 祖先にあった遺伝形質が、しばらく後の代になって現われる遺伝現象狭義には、祖父または祖母から受ける遺伝。帰先遺伝先祖帰り。〔模範新語通語大辞典(1919)〕
    1. [初出の実例]「色々の性格に祖母の隔世遺伝がありあり認められる」(出典:備忘録(1927)〈寺田寅彦〉猫の死)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「隔世遺伝」の意味・わかりやすい解説

隔世遺伝
かくせいいでん

祖先にあった形質が世代を隔てて子孫に現れる現象。第二代雑種F2における潜性形質の分離の場合や、伴性形質が父から娘の代を飛び越えて孫息子に現れる場合など、その実例はしばしばみかけられる。そのため、社会的には広く通用しているが、厳密性を欠くために遺伝学の専門用語としては用いられない。先祖返りの同義語として用いられる場合もあるが、やや概念的に異なっている。

田島弥太郎

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「隔世遺伝」の意味・わかりやすい解説

隔世遺伝
かくせいいでん
atavism

先祖返りともいわれ,祖先の形質が1世代あるいは数世代のちに再現することをいう。生物学的には隔世遺伝という言葉は使われず,突然変異によって祖先の形質と一致したか,交雑の結果遺伝子の組換えが行われて,祖先の形質を現すようになったとされる。

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栄養・生化学辞典 「隔世遺伝」の解説

隔世遺伝

 先祖では一般的であったが,現在では一般的にみられない形質が偶然発現する現象をいう場合と孫の世代(F2)に親(F0)の形質が出現すること(劣性ホモでは普通にみられる)を指す場合がある.

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改訂新版 世界大百科事典 「隔世遺伝」の意味・わかりやすい解説

隔世遺伝 (かくせいいでん)

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世界大百科事典(旧版)内の隔世遺伝の言及

【先祖返り】より

…先祖返りは,ある一つの形質に関してAABBという遺伝子型をもつ祖先種から,祖先種とは違った表現型を示すaaBBとAAbbという系統が生じ,この両系統が交雑してAaBbとなると祖先種のもっている形質が発現するという補足遺伝子(一つの形質を支配する複数の遺伝子)によって説明されたり,復帰突然変異によって説明される場合もあるが,非遺伝的な奇形が偶然に祖先の形質に符合する場合も考えられる。隔世遺伝という言葉が親とは似ず祖父,祖母またはそれ以前の祖先に似ることに対して用いられることもあるが,先祖返りと同義語でもある。【大西 近江】。…

※「隔世遺伝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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