コールチェスター(英語表記)Colchester

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コールチェスター」の意味・わかりやすい解説

コールチェスター
Colchester

イギリスイングランド東部,エセックス県北東部の都市。周辺を含めてコールチェスター地区を構成する。ロンドンの北東約 80km,コーン川に臨む古い歴史の町。ベルガエ人の根拠地であったが,43年ローマ皇帝クラウディウス1世占領。ローマ支配下のブリテンでは主要な植民市の一つとなり,カムロドゥヌム Camulodunumと呼ばれた。現存する城壁は長さ 3km以上の長方形をなし,付近に多くの防塁や土塁が残存する。1080年頃築かれた四角形の本丸は,この種のものではイングランド最大である。1189年最初の勅許状が与えられ,13世紀には港町として繁栄エリザベス1世ジェームズ1世奨励によりフランドルから多数の織物工が来住してからは織物工業で発展。今日では印刷や,電気機器,旋盤,ディーゼルエンジンなどの製造が行なわれる。また古くからコーン川河口の三角江(エスチュアリー)に産するカキの取り引きが盛ん。ローマ時代の遺物の大収集品をもつ博物館,エセックス大学(1961)がある。地区面積 334km2。地区人口 15万5794(2001)。都市人口 10万4390(2001)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コールチェスター」の意味・わかりやすい解説

コールチェスター
こーるちぇすたー
Colchester

イギリス、イングランド南東部、エセックス県にある都市。ロンドンの北東約85キロメートルに位置し、コーン川下流に臨む河港から発達した商工業、文化都市。人口15万5794(2001)。コーン川河口でカキ養殖が行われるほか製粉醸造、農機具製造などの工業がある。ローマ人がイギリスで最初に定住したともいわれる古い都市で、11世紀につくられた古城など、多くの歴史的建造物史跡に富む。古城に併設されている博物館は、ローマ時代以来の展示物で有名。エセックス大学の所在地。

[久保田武]

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