サーバル(英語表記)serval
FelisLeptailurusserval

デジタル大辞泉 「サーバル」の意味・読み・例文・類語

サーバル(serval)

ネコ科哺乳類アフリカ産。頭胴長70~100センチ。ネズミ類、小形の有蹄類などを捕食サーバルキャット

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改訂新版 世界大百科事典 「サーバル」の意味・わかりやすい解説

サーバル
serval
FelisLeptailurusserval

ヤマネコの1種。四肢が長く走行に適する。食肉目ネコ科の哺乳類。アフリカのサハラ砂漠以南の草原分布体長67~100cm,尾長24~45cm,体高54~62cm,体重8.7~18kg。耳が大きく三角形で先がややとがり,体は黄土色で,暗褐色ないし黒色斑点がある。体色や斑点には変異があり,斑点が非常に細かいものは,かつて別種とされサーバリンと呼ばれた。また,全身黒色のものもある。単独でくらし,日中は林縁や水辺の草むらで休み,夜活動する。おもに地上生だが,木登りや泳ぎもうまく,小哺乳類や鳥類をはじめ,ヘビ,トカゲ昆虫などを食べる。地下生のデバネズミをとらえるのに鋭い聴覚を利用し,またジャンプ力も強く,空中に飛び立った鳥や,3mもの高さの枝に止まっている鳥をとるという。交尾期はとくに一定しないが,ローデシアでは9~4月,東アフリカでは9~11月と3~4月の2回であるらしい。妊娠期間は約74日,1腹1~4子。寿命は20年くらいである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーバル」の意味・わかりやすい解説

サーバル
さーばる
serval
[学] Leptailurus serval

哺乳(ほにゅう)綱食肉目ネコ科の動物。サハラ砂漠以南のアフリカの草原に生息する。体長70~100センチメートル、尾長35~40センチメートル、体重8~9キログラム。体は四肢が細長く、黄土色の地に黒褐色の斑点(はんてん)がある。耳は三角形で大きく、尾は短い。単独で生活し、おもに夜行性で、木登りや泳ぎがうまい。走るのが速くジャンプ力もあり、低く飛ぶ鳥を前足でとらえることができる。主食はデバネズミなどの地下生のネズミであるが、ウサギハイラックス、小形のレイヨウなども捕食する。1頭で一つの縄張り(テリトリー)をもつが、そこには1か所以上の水場がある。妊娠期間はおよそ74日で、安全な巣穴で1産1~3子、ときに5子を産む。巣穴は小山のように堆積(たいせき)した草の間や、イボイノシシやヤマアラシが捨てた穴である。寿命は飼育下でほぼ20年。ケニアでは、ダムにすみついて悪影響を及ぼす移入動物のヌートリアを捕食するため、害獣駆除に役だっている。

[今泉忠明]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サーバル」の意味・わかりやすい解説

サーバル
Leptailurus serval; serval

食肉目ネコ科。体長 70~100cm。前後肢が著しく長く,走るのが速い。尾は比較的短く,耳は大きい。あまり深くない藪地を好み,ホロホロチョウなどの中型の鳥を捕食するが,これらを捕えるとき,じっと待伏せして,飛立つ瞬間をねらって,全速力で追いかける習性がある。ときにはノウサギ類やダイカーなども捕える。サハラ砂漠以南のアフリカに広く分布し,低木林,岩場,サバナなどにすむ。

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世界大百科事典(旧版)内のサーバルの言及

【ネコ(猫)】より

…ネパールから東南アジアに分布するマーブルキャットFelis marmorataやウンピョウなどは樹上でも狩りをする。サーバルF.servalカラカルF.caracalなどは空中に高く跳び上がり,飛んで逃げる鳥をもとらえる。ジャガーなどは獲物を追ってしばしば水に入る。…

※「サーバル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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