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ヌートリア Myocastor coypus; nutria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヌートリア
Myocastor coypus; nutria

齧歯目カプロミス科。体長 50cm,尾長 35cm内外。カイリネズミともいう。後肢に蹼 (みずかき) がある。尾はネズミに似ており,扁平ではない。水辺に生活し,岸に穴を掘って生活する。泳ぎが上手で,おもに水生植物を食べる。南アメリカ中・南部原産であるが,いまでは毛皮獣として各地で飼育されている。またそれらが逃げ出して,世界各地で野生化している。日本では第2次世界大戦前に輸入されたものが野生化し,ときに農作物などに被害を及ぼし,特に岡山県などでは問題になっている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ヌートリア

南米原産の大型ネズミ。体長40~50センチ、体重4~6キロにもなる。年2~3回子供を産み(1回平均5~6匹)、生後6~7カ月で成熟する。約100年前に初めて輸入され、上質の毛皮が防寒用軍服に使われた。戦後需要が減り、業者が放って野生化した。2005年施行の外来生物法で飼育などが禁止される特定外来生物に指定された。

(2014-04-27 朝日新聞 朝刊 阪神 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

ヌートリア(nutria)

齧歯(げっし)目カプロミス科の哺乳類。体長40~60センチ、尾長20~40センチ。体つきビーバーに、尾はネズミに似て、後ろ足水かきをもち、水辺にすむ。草食性。南アメリカに分布し、日本では軍用毛皮獣として輸入されたものが野生化。海狸(かいり)ねずみ。沼狸(しょうり)。

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百科事典マイペディアの解説

ヌートリア

ヌマダヌキ,カイリネズミとも。齧歯(げっし)目ヌートリア科。体長50cm,尾35cm内外。赤褐〜黒色。南米原産だが,ヨーロッパ,北米,アジア北部などで野生化している。
→関連項目ムートン

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世界大百科事典 第2版の解説

ヌートリア【nutria】

一見ビーバーに似た大型の齧歯(げつし)類で,チンチラテンジクネズミなどに近縁のカプロミス科に属する(イラスト)。ブラジル南部からアルゼンチン,チリなどの南アメリカに分布するが,北アメリカ,イギリス,ヨーロッパ,旧ソ連,日本などで野生化している。体長43~64cm,尾長25~43cm,体重5~17kg。体はずんぐりと丸く,頭部が大きい。水生に適応し,目と耳は小さいが,尾はビーバーのように平たくなく円筒状で,後足には水かきが発達する。

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大辞林 第三版の解説

ヌートリア【nutria】

齧歯げつし目の哺乳類。頭胴長約45センチメートル、尾長約35センチメートル。背面が茶褐色、腹面は淡褐色。四肢に水かきがある。川や池の土手に穴を掘って集団生活する。毛皮は良質で、肉は美味。南アメリカ原産。日本では第二次大戦前に移入したものが野生化している。

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知恵蔵miniの解説

ヌートリア

ネズミ目ヌートリア科に分類される南アメリカ原産のほ乳類の一種。水生のげっ歯類で、頭から尻までは50~70センチ、尾の長さは30~45センチ、体重は5~9キロ。上質の毛皮がとれるため、1990年代初頭から第二次世界大戦にかけ、世界各国へ移入・飼育された。日本には1939年に持ち込まれ、大戦末期の44年には4万頭ほどにまで増えた。現在は、北アメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国で帰化動物となっており、屋外で自然繁殖している。日本では西日本に分布し、環境省指定特定外来生物となっている。農作物への食害があり、また在来生物の生態系への影響も大きいため、帰化した国では駆除が進められている。2013年7月、京都市内の鴨川でも目撃されるようになり、京都府は餌を与えないよう注意を呼びかけている。

(2013-7-26)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヌートリア
ぬーとりあ
coypunutria
[学]Myocastor coypus

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目カプロミス科の動物。南アメリカのチリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、ブラジル南部に分布し、北アメリカ、東アジア、東アフリカ、ヨーロッパなどに帰化している。湖沼や流れの弱い河川などの岸辺にすみ、巧みに泳ぎ水草を主食にしている。日本では1939年(昭和14)に軍用の毛皮獣として150頭が初めて輸入され、1944年には4万頭も飼育されていた。第二次世界大戦が終わると需要がなくなり、放置されたものが野生化し、岡山県や京都府、兵庫県などで帰化している。カイリネズミ(海狸鼠)、ショウリ(沼狸)ともよばれる。頭胴長43~63センチメートル、尾長26~42センチメートル、体重6~10キログラム。外形はドブネズミに似て、大形で目や耳は小さい。前・後足とも五指であるが、後足の第1~第4指間には水かきがある。体色は、長くて粗い上毛は黄褐色か赤褐色、柔らかくて上質の下毛は羊毛状で暗灰色である。尾にはまばらに毛が生えていて、鱗(うろこ)が裸出している。水辺の土手に穴を掘って、群れですむ。妊娠期間は130日ぐらいで、1年に2~3回出産する。1産1~13子、平均5子を産む。子は、体重が約220グラムもあって目は開き、毛が生えている。乳頭は胸部の体側に4対あるが、母親は5日間しか哺乳しない。子は2~3日で餌(えさ)を食べ、泳ぐことができる。生後3~4か月で成熟し、6~7か月後に出産する。寿命は6~7年。毛皮は、カワウソに似て上質である。[土屋公幸]

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世界大百科事典内のヌートリアの言及

【帰化生物】より

… 偶然に帰化したものとしては,飼育していたものが逃げ出して定着したものに,1918年ころから食用に北アメリカから移入し,各地で養殖していたが,その一部が逃げ出して各地に野生化したウシガエル,そのウシガエルの餌として30年ころ神奈川に移入して養殖していたところ,大雨による出水で逃げ出して,付近の水田などに野生化し,しだいに各地に分布を広げたといわれる北アメリカ産のアメリカザリガニ,35年ころ食用に台湾から移入したものが,小笠原,奄美,沖縄などに野生化した,アフリカ原産のアフリカマイマイなどがある。また,愛玩用に飼育していたものが逃げ出して帰化したものに,北海道,岐阜の金華山などに野生化した韓国産のチョウセンシマリス,東京付近などに野生化したセキセイインコその他多数の飼鳥,動物園で飼育していたものが逃げ出して野生化したものに,伊豆大島,鎌倉などにすみついた台湾原産のタイワンリス,毛皮獣では第2次大戦中南アメリカから輸入し,各地で盛んに養殖していたが,その一部が逃げ出し,岡山その他に野生化したヌートリア,同じころ養殖されていたと思われ,東京の江戸川付近に定着している北アメリカ産のマスクラット,戦後毛皮獣として輸入され,養殖されていたものが逃げ出し,北海道で野生化した北アメリカ産のミンクなどがある。さらに,輸入した植物などに付着して偶然に入って来たと思われるものに,明治末に観賞用植物についてオーストラリアから入ってきたイセリアカイガラムシ,第2次大戦中に日本に入った北アメリカ原産のアメリカシロヒトリ,同じころ中国から入ったアオマツムシなどがある。…

※「ヌートリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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