ヤマネコ

百科事典マイペディアの解説

ヤマネコ

食肉目ネコ科ネコ属の哺乳(ほにゅう)類の総称。またはそのうちの1種ベンガルヤマネコのこと。ベンガルヤマネコは体長35〜60cm,尾15〜40cmほど。アジアの中南部に分布し,日本では対馬に産する。地方により毛の長短,斑紋などに変異があるが,日本産の亜種ツシマヤマネコ(絶滅危惧IA類(環境省第4次レッドリスト))では灰褐色の地に赤褐〜暗褐色の斑紋がある。毛は長い。木登り,泳ぎがうまく,キジ,ウサギ,リス,ネズミなどを食べる。森林,低木林地帯のとくに水辺にすみ,2〜4子を産む。西表(いりおもて)島に生息するのは別種のイリオモテヤマネコ。ヤマネコ類には他にボルネオの岩の多い低木林にすむボルネオヤマネコ,ボルネオ,スマトラ,マレー半島の森林や低木林にすむマライヤマネコ西ヨーロッパ〜シベリア,北米北部の針葉樹林にすむオオヤマネコ,西ヨーロッパからインド,アフリカの開けた森林,サバンナ,ステップにすむヨーロッパヤマネコなどがいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヤマネコ
やまねこ / 山猫
wildcat

哺乳(ほにゅう)綱食肉目ネコ科の動物のうち、小形ないし中形の野生ネコ類の俗称で、イエネコとピューマ以外のネコ亜科のものをさす。南極、オーストラリアやニュージーランド、マダガスカル島、西インド諸島などを除く地域の寒帯から熱帯まで広く分布し、スナネコのような砂漠生のものからサーバルのような草原生のもの、マーブルドキャットのような熱帯林の樹上性のもの、マレーヤマネコのような熱帯林の地上性のもの、オオヤマネコのように寒帯林にすむものまであり、さまざまな環境に適応している。
 体の大きさは変化に富み、体長35~40センチメートル、尾長15~17センチメートルのクロアシネコから、体長85~110センチメートル、尾長12~17センチメートルのオオヤマネコまである。外形、体色、斑紋(はんもん)なども変化に富むが、ヨーロッパ系、東アジア系、南アメリカ系の3グループに大別できる。
(1)ヨーロッパ系ヤマネコ 耳が三角形で先端がとがり、その背面に普通は白斑がなく、体の斑紋が多くは横の方向に走り、リビアヤマネコ、スナネコ、カラカル、オオヤマネコ、ボブキャットなどが含まれる。
(2)東アジア系ヤマネコ 耳が丸くその背面に普通は白斑があり、体の斑紋が多くは縦の方向に走り、ベンガルヤマネコ、スナドリネコ、イリオモテヤマネコなどがある。
(3)南アメリカ系ヤマネコ アジア系に似て尾の黒輪が顕著で、オセロットやマーゲーなどが属する。
 食物はネズミ、リス、ウサギ、シカの子などの哺乳類や鳥類がおもで、ほかにトカゲ、ヘビ、カメ、カエル、魚、甲殻類、昆虫などもとらえる。夜行性のものが多く、岩の割れ目、樹洞、岩穴、やぶなどを巣とする。熱帯地方に分布するものの繁殖期は不定で、そのほかの地方のものは普通、春に出産する。妊娠期間は58~78日で、1産1~6子。子の目は閉じており、1~2週で目が開き、10か月から1年で独立し、1~2年で性的に成熟するものが多い。飼育下での寿命は小形のもので7~13年、大形のもので18~21年である。[今泉忠明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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