スタフ(英語表記)Leopold Staff

改訂新版 世界大百科事典 「スタフ」の意味・わかりやすい解説

スタフ
Leopold Staff
生没年:1878-1957

ポーランド詩人リボフの菓子商の家に生まれ,リボフ大学で哲学文学を学んだ。世紀末文学の病的傾向への反発を特徴とする処女詩集《力の夢》(1901)をはじめ,〈若きポーランド〉期,両世界大戦間期,第2次大戦後の3時期を通じて《針の穴》(1927),《コリヤナギ》(1954)など多数の詩集を発表。詩法は変貌を重ねたが,調和のとれた詩風によりポーランドを代表する詩人となった。戯曲,ニーチェなど多方面の翻訳もある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スタフ」の意味・わかりやすい解説

スタフ
Staff, Leopold

[生]1878.11.14. リボフ
[没]1957.5.31. スカルジスコカミェンナ
ポーランドの詩人。「若きポーランド」の詩運動旗手として活躍。その影響力はスカマンデル派も含めて後代のすべての詩人にまで及んだ。作品の傾向は幅広い。数度にわたって国家文学賞を受賞。代表詩集『力についての夢』 Sny o potędze (1901) ,『空の鳥に』 Ptakom niebieskim (05) ,『針の穴』 Ucho igielne (26) ,『蜜の彩り』 Barwa miodu (36) ,『籐』 Wiklina (54) ほか

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタフ」の意味・わかりやすい解説

スタフ
すたふ
Leopold Staff
(1878―1957)

ポーランドの詩人、劇作家、翻訳家。文学運動「若きポーランド」(19世紀末~20世紀初頭)の後期を代表する。処女詩集『力についての夢』(1901)において新鮮な才を発揮デカダンスには反対しつつ、「若きポーランド」運動の象徴的探求を続けた。以来数多い内省的、哲学的叙情詩で人生の喜びと懐疑を歌った。ほかに象徴的詩劇『宝』(1904)と聖書の翻訳もある。

[吉上昭三]

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