ステファヌス5世(6世)(読み)ステファヌスごせい[ろくせい](英語表記)Stephanus V (VI)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ステファヌス5世(6世)
ステファヌスごせい[ろくせい]
Stephanus V (VI)

[生]?. ローマ
[没]891.9.14. ローマ
ローマ出身の第110代教皇在位 885~891)。貴族出身。教皇マリヌス1世(在位 882~884)により枢機卿(→カーディナル)に叙階され,885年5月にハドリアヌス3世(在位 884~885)の後継者として教皇に選出された。強い主体性と権威をもって行動し,コンスタンチノープル総大主教フォチオスを承認せず,886年ビザンチン皇帝レオ6世(在位 886~912)を促してフォチオスを国外追放させた。また,モラビアの教会に対して,教皇ヨハネス8世(在位 872~882)によって認められていたスラブ語典礼を禁止したため,スラブ人は東方教会を受け入れるようになった。当時,イタリアはサラセン人(→サラセン)などに侵攻され混乱に陥り,単独統治を求めて複数の貴族が紛争を起こしていた。ステファヌス5世(6世)は東フランク王国の国王アルヌルフ(在位 887~899)に秩序回復を訴えたが,在位中は実現しなかった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android