下郷町(読み)しもごうまち

日本歴史地名大系 「下郷町」の解説

下郷町
しもごうまち

面積:三一七・二三平方キロ(境界未定)

南会津郡の東端に位置し、東は奥羽山脈を境として岩瀬郡天栄てんえい村・西白河郡西郷にしごう村、南東流石ながれいし(一八一二・五メートル)三倉みくら(一八五四・九メートル)あさひ(一八三五・二メートル)など高い山々が並ぶ那須山地を境に栃木県黒磯くろいそ市、北は会津若松市、西は烏帽子えぼし(一〇九五・四メートル)神籠かろうヶ岳(一三七六・三メートル)よこ(一三七八・八メートル)を境に大沼郡会津高田あいづたかだ町・昭和しようわ村、田島たじま町に接する。約八〇パーセントが山地で、中央を北流する阿賀川(大川)加藤谷かとたに川・戸石といし川・観音かんのん川・大沢おおさわ川・小野おの川・鶴沼つるぬま川などの支流を集め会津盆地へ流入後、阿賀野あがの川となって日本海に注いでいる。白岩しらいわ付近の阿賀川に奇岩が塔のように並ぶ塔のとうのへつり(国指定天然記念物)があり、その渓谷美は大川羽鳥おおかわはとり県立自然公園の大川ラインとして知られる。湯野上ゆのかみには湯野上温泉がある。阿賀川の左岸なか山の山腰に、国指定天然記念物の中山風穴地特殊植物群落がある。会津若松市との境に大川ダムがあり、美しい若郷わかさと湖がみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「下郷町」の意味・わかりやすい解説

下郷〔町〕
しもごう

福島県南西部,阿賀川 (大川) の上流域にある町。 1955年楢原町 (1946年町制) と江川村,旭田村が合体して成立。上流の南会津町田島上郷と呼ぶのに対し,下郷と呼んだのが町名起源。農林業と観光業が主産業。会津西街道宿場町大内宿には現在も茅ぶき屋根の民家が残り,国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。北部の深い峡谷は大川ラインと呼ばれ,大川羽鳥県立自然公園に属する。国の重要文化財の旭田寺 (きょくでんじ) 中沢観音堂のほか,国の天然記念物の中山風穴地特殊植物群落,阿賀川峡谷の塔のへつりがある。会津鉄道,国道 121号線が通る。面積 317.04km2(境界未定)。人口 5264(2020)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android