佐野孫右衛門(読み)さの・まごえもん

朝日日本歴史人物事典 「佐野孫右衛門」の解説

佐野孫右衛門

没年:明治14(1881)
生年:生年不詳
幕末維新期の釧路場所請負人,漁場持。釧路昆布業の基礎を築いた。幼名喜与作。孫右衛門は世襲名,その4代目。初代は越後国(新潟県)寺泊の出身で,天明年間(1781~89)松前に渡り,城下唐津内町で米屋と号し,寛政年間(1789~1801)より釧路場所を請け負った。4代孫右衛門は安政3(1856)年家督を相続,翌年南部地方より漁民120名余を釧路に移住させた。戊辰戦争では官軍の箱館港進入に便をはかり,維新後は自ら釧路に移住,移民200戸を移住させた。その後釧路の漁場持として活躍。明治11(1878)年函館の第百十三国立銀行設立に尽力。翌年漁場を広業商会に譲渡して,漁業より撤退した。<参考文献>御子柴夢斎『釧路漁場開祖米屋の事績』

(中西聡)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐野孫右衛門」の解説

佐野孫右衛門 さの-まごえもん

?-1881 幕末-明治時代の漁業家。
蝦夷(えぞ)地(北海道)松前の人。安政のころから樺太(からふと)や釧路周辺の漁場開発を手がける。戊辰(ぼしん)戦争では新政府軍の箱館進入の便をはかる。維新後は釧路への移民をすすめ,同地の発展につくした。明治14年死去。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android