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都市気候 としきこう urban climate; city climate

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

都市気候
としきこう
urban climate; city climate

都市部とその周辺とで気候の差異がある,都市に特有な気候。都市部が周辺と比べて高温であることは特徴の一つで,ヨーロッパでは早くからその存在が知られ,19世紀中頃にはオーストリアの気象学者ユリウス・フェルディナント・フォン・ハンによって確かめられた。

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知恵蔵2015の解説

都市気候

空調設備や自動車・工場からの排熱、ビルや舗装道路の増加、緑地の減少など、都市化の結果つくり出された、都市域での独特な気候。主な特徴は、高温と乾燥、風速の減少、強いビル風の発生、霧日数、短時間強雨の増加、日射量の減少、大気汚染の増加など。特に郊外と比べて高温の都市部をヒートアイランド(heat island)と呼ぶ。等温線を描くと都市部が海に浮かぶ島のように見えるので熱の島と名付けられた。冬の寒い朝の気温では都心と郊外との差は、東京で6℃以上、中規模の都市で3〜5℃にもなる。近年は都市の冬期の最低気温の上昇が著しい。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

とし‐きこう【都市気候】

都市にみられる、周辺の田園や森林地帯と異なる気候。高温や大気汚染による日射量の減少、風速の減少と風系の変化、霧や微雨日数の増加などを特徴とする。

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百科事典マイペディアの解説

都市気候【としきこう】

都市に特徴的な気候。人家や工場で使う熱と,大気の混濁や二酸化炭素温室効果によって郊外より気温が高い。道路の舗装や森林の減少のため,蒸発する水蒸気が少なく,高温と相まって空気が乾燥する。

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世界大百科事典 第2版の解説

としきこう【都市気候 urban climate】

都市が建設され,そこで人間が生活するようになると,そこの気候が田園や森林であった当時と比べて変化する。そして都市域では郊外や周囲の田舎とは異なった気候が生じる。この都市固有の気候を都市気候と呼ぶ。都市の内外では多くの点で気候が異なる。おもなものは,大気汚染,都市域の高温(都市温度),日射量(紫外線)の減少,風速の減少と都市固有の風系の発生,雲量や霧日数・微雨日数の増加,湿度の減少すなわち都市の空気の乾燥,などが挙げられる。

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大辞林 第三版の解説

としきこう【都市気候】

都市域で生ずる局所的な気候。都市域の高温化、大気汚染、日射量減少、風速の減少、降水の変化などをいう。都市気象。 → ヒート-アイランド

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

都市気候
としきこう
urban climate

都市に特有の気候。都市域では、人口集中による人工排熱の増加と地表面の人工化(コンクリート建造物、アスファルト道路など)によって、周辺の郊外・農村地帯に比べて、気温が高くなるヒートアイランド現象や乾燥化などが顕著に認められる。欧米や日本など、先進国の大都市では、1950年代から1970年代にかけて工場からの煤煙(ばいえん)や自動車の排気ガスなどによる大気汚染が進み、スモッグ(都市の煙霧)による日射量の減少や視程の悪化が深刻な社会問題となったが、1990年代以降は大気汚染防止に関する厳しい法的規制によってかなり改善された。一方、アジアの開発途上国では、飛躍的な経済活動の進展によるエネルギー消費量の急増が、深刻な大気汚染問題を引き起こしている。
 都市気候は、都市の規模やその地理的位置によって差が生じるが、一般に人口が多い大都市ほど顕著になる。また、同一の都市でも、時代とともに人口が増加して都市活動が盛んになると、都市気候の現象が強化される。たとえば、世界有数の大都市である東京を例にとると、明治期の30年間(1881~1910年)と昭和・平成期の30年間(1981~2010年)では、以下に示すような顕著な変化が認められる。
●東京都心部における都市気候の変化の例
【1881~1910年】
 平均気温:13.7℃
 相対湿度:75%
 降水量:1495ミリメートル
 冬日:66.6日
 熱帯夜:1.3日
 真夏日:30.5日
 猛暑日:0.2日
【1981~2010年】(1881~1910年からの変化)
 平均気温:16.3℃(+2.6℃)
 相対湿度:62%(-13%)
 降水量:1529ミリメートル(+2%)
 冬日:5.7日(12分の1)
 熱帯夜:27.8日(21倍)
 真夏日:48.5日(1.6倍)
 猛暑日:3.2日(16倍)
(注:気象庁ホームページの統計データによる)
 これをみると、平均気温の上昇と相対湿度の低下が著しく、降水量は若干増加している。明け方の最低気温が0℃未満の冬日は激減する一方、夜間の最低気温が25℃以上の熱帯夜は激増している。夏季日中の最高気温については、30℃以上の真夏日の増加や35℃以上の猛暑日の激増が注目される。
 また、1980年代以降、東京などの大都市では、夏季の午後に突然局地的な豪雨が発生し、道路が冠水したり住宅が浸水したりする被害にみまわれることがあり、「ゲリラ豪雨」ともよばれて社会的な関心も高い。これは、都市気候におけるヒートアイランド現象もその一因と考えられており、大気の不安定な気象状態における都市の高温化が積乱雲の発達を強めることによりおこるが、ときとして1時間に50ミリメートルを超える局地的な豪雨が発生することもある。[三上岳彦]
『尾島俊雄著『ヒートアイランド』(2002・東洋経済新報社) ▽森山正和編『ヒートアイランドの対策と技術』(2004・学芸出版社) ▽三上岳彦著『都市型集中豪雨はなぜ起こる?――台風でも前線でもない大雨の正体』(2008・技術評論社) ▽甲斐憲次編著『二つの温暖化――地球温暖化とヒートアイランド』(2012・成山堂書店) ▽藤部文昭著『都市の気候変動と異常気象――猛暑と大雨をめぐって』(2012・朝倉書店)』

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