デジタル大辞泉
「出目」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
で‐め【出目】
〘名〙
① 普通よりも突き出した眼球。また、そのような目の人。〔名語記(1275)〕
※苦の世界(1918‐21)〈
宇野浩二〉四「おほきな、ぎょろりとした出目
(デメ)」
② 二つの数量を比較して、一方が他より多い場合の
差額。
※島津家文書‐慶長三年(1598)五月二二日・石田三成、島津龍伯義久連署覚書「口米は壱石に付弐斗、あけおろしの出目も弐升可在之事」
③ 安土桃山・江戸時代、再検地や貨幣
改鋳などの結果、従来より数量が増加した場合、その差額のことをいう。出目高。
※多聞院日記‐天正一五年(1587)正月一九日「
当年よりは七千石は出目之間可
レ被
二落取
一之通也」
※
地方落穂集(1763)五「是の如く出目を別て立るを本石といふなり」
※俳諧・器新集(1798)「出目が様子につく芋をむく」
⑥ さいころを用いた
ばくちで、出た目。また、その傾向。ルーレット、また競馬などの
ギャンブルでの、当たった数字についてもいう。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出目
でめ
(1)江戸時代,金銀銭貨を改鋳して以前よりも流通量が増加した場合の改鋳益金。幕府の財政窮乏を救済する手段として,出目を目的にしばしば改鋳が行われた。この際,新貨の品位を旧貨よりも低下させて流通量を増加させたため,経済活動に少なからず影響を与えた。(2)江戸時代,余剰・余分の意味で用いた。出目高(だか)・出目米・出目石(こく)などの用例が史料にみられる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出目
でめ
江戸時代,貨幣改鋳による差益金
金貨は名目貨幣であるから質を落とせば同じ量でも多く鋳造できその差が利益となった。財政難打開のため元禄・宝永・天保・万延時代,改鋳を頻繁に実施し,一時的に財政救済に効果があったが,貨幣価値の低落は物価騰貴・取引の不安定を招き,結局は幕府を苦しめた。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報