建春門院中納言(読み)けんしゅんもんいんちゅうなごん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「建春門院中納言」の意味・わかりやすい解説

建春門院中納言
けんしゅんもんいんちゅうなごん

[生]保元2(1157).京都
[没]承久1(1219)以後
平安時代後期~鎌倉時代前期の後宮女房,日記作者。家族の者には健御前 (たけごぜん) ,出家後は九条尼とも呼ばれ,再出仕後は八条院中納言と呼ばれた。父は藤原俊成,母は藤原親忠の娘美福門院加賀。定家は同母弟。後白河法皇の妃建春門院 (平滋子) に仕え,その死後鳥羽天皇の娘八条院 (しょう子内親王) に再出仕した。八条院の養女春華門院 (後鳥羽上皇の娘昇子内親王) の養育にあたったこともある。仮名日記『建春門院中納言日記』 (1216~20,『たまきはる』『健寿御前日記』ともいう) は,2度の宮仕え生活を中心とする回想録。建春門院への礼賛を綴り,また女房たちの衣装の記録の詳細さで有名。当時の宮廷事情を物語る逸話も見出される。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「建春門院中納言」の解説

建春門院中納言 けんしゅんもんいんの-ちゅうなごん

1157-? 平安後期-鎌倉時代の女官
保元(ほうげん)2年生まれ。藤原俊成(としなり)の娘。仁安(にんあん)3年(1168)12歳で建春門院に,27歳で八条院につかえる。のち出家し,女官生活を回顧して「建春門院中納言日記」をあらわした。弟の藤原定家(さだいえ)の「明月記」にこの姉に関する記述がおおい。健御前とも。

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