御曹司(読み)オンゾウシ

デジタル大辞泉 「御曹司」の意味・読み・例文・類語

おん‐ぞうし〔‐ザウシ〕【御曹司/御曹子】

《「曹司そうし」は部屋の意》
名門名士子弟。「社長の―」
公家くげの、部屋住みの子息を敬っていう語。
平家公達きんだちに対して、源氏嫡流の子息。特に、源義経
[類語]若旦那坊ちゃん令息ぼんぼん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「御曹司」の意味・わかりやすい解説

御曹司(子) (おんぞうし)

芸能用語。貴人(公家や上流武家)のまだ一人前にならない子息をさす。転じて芝居の世界では,大幹部の子息のことをいう。社会的には低い位置にあった歌舞伎役者ではあるが,名門となれば大名にも匹敵するような豪奢な生活をしていた者も少なくない。その家柄と家の芸と名跡(みようせき)は長男によって守られるのが原則で,その子息はすべてに別格待遇を受けて大切に育てられる。生まれながらに大幹部を約束された役者である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の御曹司の言及

【曹司】より

…また平安時代の大学寮文章院の〈東曹・西曹〉は,文章生の寄宿舎のごときものをいう。また単に部屋,局を指す場合もあり,〈御曹司〉がこの例である。いわゆる〈部屋住み〉で,貴人の子息をいう。…

【中宮職】より

…後になって999年(長保1)一条天皇のとき皇后定子と中宮彰子とを区別して二后を併立させて以後は,皇后宮職,皇太后宮職などとならんで,別に中宮職が設置されるようになった。平安宮の古図にみえる職の御曹司は中宮職をふくむ皇太后宮職等の曹司のことか。【鬼頭 清明】。…

※「御曹司」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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