板締(読み)イタジメ

デジタル大辞泉 「板締」の意味・読み・例文・類語

いた‐じめ【板締(め)】

染色法の一。文様を彫った薄板2枚の間に縮緬ちりめんその他絹織物を挟んで固く締め、文様を白く染め抜いたもの。纐纈こうけち夾纈きょうけちの類。いたじめしぼり。

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精選版 日本国語大辞典 「板締」の意味・読み・例文・類語

いた‐じめ【板締】

〘名〙
① 染色法の一つ。板の片面あるいは両面に同じ模様を彫り、それを二枚以上重ねて、その間に縮緬(ちりめん)、その他、絹物などの布を堅くはさんで染め抜く方法。また、その染めたもの。夾纈(きょうけち)、板締め染め、板締め絞りなどの総称。いた。
洒落本・青楼昼之世界錦之裏(1791)「板〆ののろまいろになったほそおびをしめ」
② ①に用いる板のように、物を両側からしめつけること。また比喩的に、板ばさみにすること。
※歌舞伎・時桔梗出世請状(1808)二幕「安土の城を枕とは、敵を板(イタ)じめ板しばり」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「板締」の意味・わかりやすい解説

板締
いたじめ

文様を彫り抜いた2枚の板の間に,布をはさみ締めて染色する方法。奈良時代には夾纈 (きょうけち) と呼ばれ,東大寺正倉院に数種の作品がある。布を幾重にも折りたたんではさむので,同文様の繰返しができる。手拭や中型 (ゆかた地) など単色の染色に応用される。糸を染める場合は,凹凸につくった板に糸を巻き,他の板と合せて締めつけ浸染する。 (かすり) 織物原糸などに利用する。

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