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 かすり

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


かすり

飛白とも書く。文様織の一種。文様の図案に従って経糸か緯糸,または両方の糸を前もって染めておき,これを用いて織った織物。文様の輪郭部がかすれて見えるのが特徴。技法はインドから伝わったといわれる。

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デジタル大辞泉の解説

かすり【×絣/飛白】

かすれたような部分を規則的に配した模様。また、その模様のある織物。「紺―」

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百科事典マイペディアの解説

絣【かすり】

飛白とも書く。染織模様の一種。織糸の一部をくくったり板締めしたりして染めた絣糸を用いて織った織絣が多いが,これを模してプリント染めにした染絣もある。織絣には絣糸を経(たて)糸に使う経絣,緯(よこ)糸に使う緯絣,経緯に使う経緯絣,仮織りして型染めしたのをほぐして織るほぐし絣などがある。
→関連項目壮士琉球文化

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日本文化いろは事典の解説

[女性用] 白地や藍染め地に十字や細かい線などをちりばめた幾何学模様が特徴的な着物を総称で「絣」と呼びます。絣柄は素朴で温かみがあるので、普段着からお召しものまで、日常に楽しむ着物として親しまれています。

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世界大百科事典 第2版の解説

かすり【絣】

織る前にあらかじめ文様にしたがって染め分けた糸(絣糸)を用いて織り上げた模様織物。製織の技術そのものは単純な平織であっても,経糸(たていと)に絣糸を用いた〈経絣〉,あるいは緯糸(よこいと)に絣糸を用いた〈緯絣〉,また経・緯両方に絣糸を用いた〈経緯絣〉によって多様な文様を織り出すことができる。このため古くから世界の各地で行われた。日本での〈かすり〉という名称は,織り出された文様の輪郭が絣糸の乱れによって,かすれたように見えることから名づけられたとされている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


かすり

加寿利、飛白、纃などの字に書くこともあるが、現在では「絣」をあてるのが普通である。この絣とは、模様がかすったようになることからつけられたという説と、琉球(りゅうきゅう)絣をカシィリィということから、これが語源であるとする説とがあるが、まだいずれとも確言しうるに至っていない。欧文表記としてはインドネシア語のイカットikatをそのままあてている。技法からみると、防染技法による模様染めの一つであり、糸の段階で部分的に染色したのち織り上げ、その後模様を表すものである。
 絣の起源は、インドの所産といわれているが、古い時代の遺品が少ないため、なんとも確言しがたい。ただインドのアジャンタ壁画のうち、7世紀ごろの天井壁画のなかに、着衣の模様に絣らしいものがみられること、日本でも法隆寺裂(ぎれ)に、太子間道(たいしかんどう)(広東錦(カントンにしき)ともいう)といわれる経(たて)絣があって、古くから絣が使われていたことを物語っている。この技法がインドから各地へ伝播(でんぱ)したものか、独立的に発生したかは不明であるが、エジプト、ペルシア、インドネシア、メキシコ、ペルーなど世界各地に特色のある絣を生んだ。とくに東南アジアのイカット(絣)はよく知られている。日本では、中世から近世にかけて、段染め、手綱(たづな)染め、熨斗目(のしめ)という大きくだんだらに染める方法がとられ、単純化の方向へと進んだが、近世中期ごろから庶民の間に普及した木綿とともに絣技法が展開していった。その伝播経路は、南方の琉球からしだいに北上していき、それが各地の木綿生産地に伝わった。この展開過程において、絹・麻系統へも摂取されたし、初め簡単な十字、霰(あられ)などの模様であったものが、しだいに複雑な絵絣まで織り出すこととなった。その最盛期は比較的新しく、明治時代に入ってからである。
 絣は大別して、防染によるものと捺染(なっせん)によるものとに分けられる。また構成糸の染色方法により、経(たて)絣、緯(よこ)絣(緯総(よこそう)絣)、経緯絣に分けられる。絣糸をつくる方法は、表出される図柄の違いや、各地の生産事情により異なるが、麻糸・綿糸(合繊糸をも含む)などで、まえもって絣つけした部分をくくる「手くびり」、締(しめ)機を使い、織物の緯糸を防染する部分だけ堅く織りつける「織締(おりしめ)」、文様を彫り込んだ2枚の板の間に絣糸を入れて防染する「板締(いたじめ)」がある。また、絣は防染技法を伴っているという原則からは外れるが、経糸あるいは緯糸を仮織りした布面に型染めし、それを織る方法がある。そのうち経糸に捺染したものは「解織(ほぐしおり)」という。同じように絣つけをしたのち、刷毛(はけ)、ブラシ、ときには簡単な絣つけ道具で染料を摺(す)り込み絣をつけるものを「摺り込み絣」という。最近の染色技術は、織物の上に絣柄をそのまま捺染でき、外観上なんら絣と変わらないものまでつくりだせるので、追加される技法かもしれない。
 絣の文様は、染色技法に制約を受けて輪郭部分は、いわゆる絣あしというぼやけたものとなり、独特の雅味を呈するのが特徴である。経あるいは緯、そして経緯の絣糸を製織により文様構成させるので、単純な霰のようなものから、十字、井桁(いげた)、亀甲(きっこう)、矢柄、模様絣(絵絣)など種類が多い。経緯絣のように柄合わせのむずかしい複雑な絣は、インドネシア、バリ島のグリンシンにもみられるが、日本の各地に多くつくられた。世界各地にみられるものは、イカットのように経絣のものが多く、その地域独自の民族的特徴をもつ図柄を表現している。
 現代における絣の主要な生産地はインド、インドネシア、グアテマラで、その伝統は失われていない。わが国の絣の生産は、木綿の生産地におこり、絹、麻、絹綿交織へと展開した。したがって綿では久留米絣(くるめがすり)、伊予絣、備後絣(びんごかすり)など、絹では琉球絣、結城紬(ゆうきつむぎ)、大島紬などがあり、また麻では越後上布(えちごじょうふ)(小千谷縮(おぢやちぢみ))、能登(のと)上布などにみられる。
 用途は、発展理由からみて庶民の衣料として普及し、明治から大正にかけて着尺地に盛んに使われたが、最近では紺絣は農家の仕事着に限定され、複雑な絣柄は高級品に使われ、用途も分化している。しかし絣はあくまでも普段着であり、正式の着物とはなりえない。[角山幸洋]
『Alfred Bhler Ikat, Batik, Plang (1972, Phavous-Verlag Hansrudolf Schwabe AG, Basel) ▽織田秀雄著『絵絣』(1977・岩崎美術社)』

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世界大百科事典内のの言及

【イカット】より

…世界各地の〈絣〉を総称する用語。語源はマレー語の〈縛る〉とか〈括(くく)る〉を意味するムンイカットmengikatである。…

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