稲沢(市)(読み)いなざわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「稲沢(市)」の意味・わかりやすい解説

稲沢(市)
いなざわ

愛知県北西部、濃尾(のうび)平野の中央にある市。1958年(昭和33)市制施行。2005年(平成17)祖父江(そぶえ)、平和(へいわ)の2町を編入。JR東海道本線、名古屋鉄道本線、同尾西線、国道155号が貫通、近くに名神高速道路一宮インターチェンジがある。開拓の歴史は古く、尾張(おわり)国の国府所在地(松下)となり、また国分寺矢合(やわせ)にあった。江戸時代には美濃路(みのじ)の稲葉(いなば)宿も置かれた。江戸時代以来、濃尾平野のナスホウレンソウなどの野菜栽培の中心地で、矢合は植木苗木の大産地。愛知県植木センターがあり、4月には植木まつりが行われている。近代施設としては、日本三大操車場の一つに数えられたJR稲沢操車場があったが、縮小され、一部は大型商業施設となっている。また、名古屋市から進出した各種工場も多い。国府宮(こうのみや)(尾張大国霊(おおくにたま)神社)は尾張総社で裸(はだか)祭(旧暦1月13日)で有名。矢合観音は厄病除(よ)けとしていまも参詣(さんけい)者が多い。国の重要文化財としては国府宮の楼門拝殿万徳寺(まんとくじ)、性海寺(しょうかいじ)の多宝塔、その他寺院の仏像などがあり、歴史の町でもある。面積79.35平方キロメートル、人口13万4751(2020)。

[伊藤郷平]

『『稲沢市史』(1968・稲沢市)』『『新修稲沢市史』全25巻(1978~1991・稲沢市)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android