尾張大国霊神社(読み)おわりおおくにたまじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「尾張大国霊神社」の意味・読み・例文・類語

おわり‐おおくにたまじんじゃ をはりおほくにたまジンジャ【尾張大国霊神社】

愛知県稲沢市国府宮(こうのみや)にある神社。旧国幣小社。祭神は尾張大国霊神。崇神天皇七年の創祀と伝える。旧正月一三日の儺追(なおい)神事は「はだか祭」として知られる。尾張国総社国府(こうのみや)

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日本歴史地名大系 「尾張大国霊神社」の解説

尾張大国霊神社
おわりおおくにたまじんじや

[現在地名]稲沢市国府宮町 大宮

祭神は大国霊神。旧国幣小社。祭礼日は旧正月七日の鍬形神事、旧正月一三日の儺追祭(裸祭)、旧正月一七日の的射祭、五月六日の梅酒盛神事。末社は司宮しぐう神社・神明社・居森いもり社・白山社・稲荷社・三女さんじよ神社(「府志」では六社、「尾張志」では九社)境内七千二一八坪(稲沢市内神社調)。「延喜式神名帳に「尾張大国霊神社」、尾張国神名帳に「正一位国玉名神」または「従一位」(元亀本)とみえる。

創建は崇神天皇七年五月六日と伝える(府志)。「文徳実録」仁寿三年(八五三)六月八日の条に「以尾張国大国霊・大御霊神・憶感神等列於官社」とみえ、嘉禄元年(一二二五)八月尾張国司小野成政が惣社そうじや修理料田を引募った尾張国司庁宣案(当社蔵文書)に「当社者一国惣社、府中勧請之敬神、効験殊勝之砌、貴賤仰崇之社也」とみえ、この時、惣社修理料田として一二町歩を得ている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「尾張大国霊神社」の意味・わかりやすい解説

尾張大国霊神社
おわりおおくにたまじんじゃ

愛知県稲沢(いなざわ)市国府宮(こうのみや)町に鎮座。祭神は尾張大国霊神(おわりおおくにたまのかみ)。別宮の大御霊(おおみたま)神社、宗形(むなかた)神社とともに『延喜式(えんぎしき)』巻9に登載され、あわせて国府宮三社と称される。また国府(こくふ)に近いところより、尾張国(愛知県)総社となり、尾張一国の諸社をここに奉斎し、国司自ら祭祀(さいし)を行う神社となった。境内に磐境(いわさか)があり、社殿を建てて祀(まつ)る以前の古い祭祀(さいし)の跡を残している。旧国幣小社。祭礼には5月6日の梅酒盛(うめさかもり)神事、また旧暦正月13日には大勢の裸男が神男(しんおとこ)(儺負人(なおいにん))に触れて厄(やく)を落とそうとする儺追(なおい)神事(俗に裸祭り)がある。

[白山芳太郎]


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百科事典マイペディア 「尾張大国霊神社」の意味・わかりやすい解説

尾張大国霊神社【おわりのおおくにたまじんじゃ】

愛知県稲沢市国府宮町に鎮座。旧国幣小社。尾張大国霊神をまつる。地主神を磐境(いわさか)にまつったのに起こる。延喜式内社に比定され,のち尾張国の総社。例祭は5月6日に梅酒盛神事が行われる。旧正月13日の儺追(なおいの)神事は,厄疫よけの行事で,はだか祭として有名拝殿楼門は重要文山財。
→関連項目裸祭

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デジタル大辞泉プラス 「尾張大国霊神社」の解説

尾張大国霊神社

愛知県稲沢市にある神社。祭神は尾張大国霊(おおくにたま)神。楼門、拝殿は国の重要文化財指定。国府宮(こうのみや)とも呼ばれる。

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