出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…古典派経済学者の抱いていた人的資本の発想はその後の新古典派経済学の中では労働力の質の違いに還元されてしまい,分析枠組みからは捨象された。 人的資本の考え方が1950年代末以降あらためて脚光を浴び発展させられるようになった背景には,発展途上国援助等にからんで経済発展における教育と人的資源の役割が再認識されたこと,国際貿易の基礎条件である資源賦存状態の重要な要素として労働力の生産的資質が見直されたこと,公共経済学における費用‐便益分析手法が人的投資の収益率や投資決定の分析に応用されたこと,労働経済学における賃金構造,訓練,移動などの現象や労働力政策のあり方を解明する理論として注目されたこと,などが挙げられる。1960年代にはT.W.シュルツ,G.ベッカー,J.ミンサーらが続々と人的資本概念に基づいて教育投資,訓練,賃金構造などの新しい分析を試み,新しい教育の経済学,労働経済学の急速な発展をみた。…
※「人的資源」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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