アケビ科(読み)アケビか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アケビ科」の意味・わかりやすい解説

アケビ科
アケビか
Lardizabalaceae

双子葉植物キンポウゲ目の1科。日本や中国などアジア東部の温帯と,南アメリカのチリに知られ,特異な二極分布として注目される。7属約 35種があり,ほとんどがつる植物で,掌状複葉を互生する。花は総状花序をなし,葉腋につく。片,花弁は3枚ずつ,おしべ6本も3本ずつ2輪に並ぶ。めしべも3本以上あり子房は上位。花はしばしば,おしべまたはめしべが痕跡的に退化して,雌花雄花になる。果実液果でときに食用となる。アケビ属 Akebia,ムベ属 Stauntonia,ラルディザバラ属 Lardizabalaなどを含む。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アケビ科」の意味・わかりやすい解説

アケビ科
あけびか
[学] Lardizabalaceae

双子葉植物、離弁花類常緑または落葉性の藤本(とうほん)。葉は互生し掌状複葉、托葉(たくよう)はない。ただし、中国からヒマラヤにかけて分布するデカイスネア属Decaisnea低木で、葉は羽状複葉。花は単性、3数性。雄しべは離生するか、または花糸の部分で合着するものがある。液果は比較的大きくなり、種子は数個から多数。アジアと南アメリカに9属約35種が分布する。メギ科、ツヅラフジ科に近縁な科であるが、アルカロイドは含まない。

[寺林 進 2019年9月17日]

 APG分類でもアケビ科とされる。

[編集部 2019年9月17日]

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