アズラキー(読み)あずらきー(英語表記)Abū al-Maāsin Azraqī

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アズラキー」の意味・わかりやすい解説

アズラキー
あずらきー
Abū al-Maāsin Azraqī
(?―1072ころ)

ペルシア詩人ヘラート出身で父は書店を営み、フィルドウスィーとの逸話は名高い。セルジューク朝初期の著名な詩人で、同朝のホラサーン太守やケルマン・セルジューク朝に仕えた。寡作な詩人で約2700句からなる『アズラキー詩集』は、頌詩(しょうし)が主体である。自然描写に優れ、独特の比喩(ひゆ)で知られ、ペルシア詩人伝にはかならず登場する優れた頌詩詩人である。

[黒柳恒男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アズラキー」の意味・わかりやすい解説

アズラキー
Azraqī, Abū Bakr Zayn al-Dīn

[生]? ヘラート
[没]1072以前
ペルシアの詩人。セルジューク朝時代にヘラートの太守トガーン・シャーに仕えた著名な頌詩詩人で,作品に『アズラキー詩集』 Dīwān-e Azraqīがある。『スィンド・バードの書』の作詩者としても知られるが,作品は散逸した。

アズラキー
al-Azraqī, Abū al-Walīd Muḥammad

9世紀のイスラム教徒歴史家。祖父アフマド (837没) の集めた資料もとに,メッカとその聖域に関する歴史書『メッカ史』 Akhbār Makkaを著わした。

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