アブラカダブラ(英語表記)Abracadabra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブラカダブラ」の意味・わかりやすい解説

アブラカダブラ
Abracadabra

キリスト教異端であるグノーシス派のうちのバシリデス派 (2~4世紀) が,病気や不幸から守ってくれるよう,慈善心に富む精霊の助けを祈るときに用いたまじない文句。その言葉は,魔よけとして使われるアブラクサスの石の上に見出される。この語をギリシア字母で書くと 365の数を表わすことから,至高の存在から出る 365の霊的位階の名とした。これらは同数の天界に相当し,最下位大地とそこに住む者とを構成する諸霊の場所である。この語とともに怪異な人獣像が彫られていることが多い。グノーシス派の医者セレヌス・サモニセスは,悪寒や熱を避けたり,あるいは治療するときにそれを用いるよう教えている。次第にグノーシス派以外でも用いられるようになり,近代では,複雑な非科学的仮説に対し軽蔑的に用いられる。

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