日本大百科全書(ニッポニカ) 「アブルッツィ」の意味・わかりやすい解説
アブルッツィ
あぶるっつぃ
Abruzzi
イタリア南部の州。アブルッツォAbruzzoともいう。面積1万0794平方キロメートル、人口124万4226(2001国勢調査速報値)。キエーティ、ラクイラ、ペスカーラ、テラモの4県からなり、州都はラクイラ。隣接するモリーゼ州とともにアブルッツィ・エ・モリーゼ州をなしていたが1963年に分離した。標高500メートル以上の高地が面積の過半を占め、とりわけ西部にはアペニン山脈の最高峰モンテ・コルノをはじめ2000メートルを超える山々がそびえる。この地方の伝統産業は農林牧畜業であるが近年はヒツジの移牧の衰退と山間部の過疎化がみられる反面、メタンガスの発見やローマ―ラクイラ間の高速道路の開通などもあって、工業化と観光化が進んだ。
[堺 憲一]