生年については1749年,50年,52年説がある。フランスの料理人で,食品保存法としての瓶詰の発明者。パリ盆地のシャロン・シュール・マルヌに生まれ,幼時から菓子屋で働く。独立して菓子製造,ブドウ酒醸造工場をもつに至ったころ,フランス政府の〈軍隊に新鮮な食糧を供給する方法〉の懸賞論文募集があり,食料を入れた広口ガラス瓶をゆるくコルクの栓をしたまま2時間煮沸,次いで固く栓をして封じるという方法でもって応募する(1804)。空気を追い出すことにより腐敗が防げると考えたのである。獲得した賞金1万2000フランで工場を建設し,終生事業の改良にとり組んだ。彼の方法は,のちに瓶に替えて缶の使用(1810,デュランドPeter Durand),高温加熱等の改良が加えられ,缶詰工業の隆盛をみた。
→缶詰
執筆者:肱岡 義人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…なお,食品を瓶に詰めて密封殺菌をした瓶詰も,一般に缶詰に含めて取り扱われている。
[歴史]
缶詰の製造原理は,1804年フランスのアペールによって発見された。1795年フランス革命のさなかに,ナポレオンはヨーロッパ戦線を東奔西走していた。…
…ガラス瓶の中に食品を詰め,密封後加熱殺菌をして貯蔵性を高めたもので,加熱殺菌をしない〈瓶入り〉と区別される。瓶詰の原理は,1804年フランスのN.アペールによって発明され,1820年アメリカで初めて企業化された。瓶詰は,内容物が見えることを特徴としているが,逆に光線を通すため変色などの変質を起こしやすい欠点がある。…
※「アペール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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