あまりききなれない病名の解説

四訂版 病院で受ける検査がわかる本 の解説

あまりききなれない病名の解説

本文中に出てくる、あまりききなれない病気について簡単に説明します。

【あ】

亜急性甲状腺炎…甲状腺部の激しい痛みと発熱、動悸ややせなどの甲状腺機能亢進症状を特徴とする病気。ウイルスの感染による甲状腺の炎症と考えられている。

悪性症候群…向精神薬(統合失調症薬、躁うつ病薬、抗てんかん薬、抗パーキンソン病薬など)の内服中や、薬の急な中止によっておこる病態。高熱、体のこわばり、ふるえ、無動無言、血圧の変動、意識障害などが現れる。

アジソン病…両側の副腎皮質が広範囲にわたって崩壊し、副腎皮質ホルモンの分泌が低下してくる病気。食欲不振、やせ、全身倦怠感、吐き気、嘔吐、下痢、不安感、性欲低下(男性)、皮膚が色黒くなるなど。

アシドーシス…血液のpH(ペーハー、水素イオン濃度)が正常域の7.35~7.45より下がった(酸性側)状態。

異常ヘモグロビン血症…ヘモグロビンの異常によっておこる病気の総称。メトヘモグロビン血症、HbM 病、サラセミアなどがあり、溶血、血栓、多血などを示す。

異所性ACTH産生腫瘍…本来はホルモンをつくらない臓器組織に発生した腫瘍がホルモンをつくってしまうものを異所性ホルモン産生腫瘍といい、そのうちの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)をつくる腫瘍のこと。原発腫瘍としては肺がんが最も多い。

一過性脳虚血発作(TIA)…脳の動脈がつまって循環障害が生じ、脳卒中の発作がおこったもので、発作が数分から数時間でおさまる場合をいう。半身の運動障害、まひ、しびれ、けいれん、ろれつが回らない、言語障害、視力・聴力障害など。

遺伝性出血性毛細血管拡張症…オスラー病ともいい、皮膚や粘膜の毛細血管が怒張(拡張)し、出血をおこす遺伝性の病気。とくに鼻の粘膜から、そのほか舌、歯肉、上顎、顔、指などから出血する。

インスリノーマ…膵臓のランゲルハンス島に存在する、インスリンというホルモンを分泌する細胞(β細胞)が腫瘍化しておこる病気。がんの確率は20%以下。低血糖の発作を繰り返し、意識消失、錯乱、頭痛、動作や言語の不活発、性格の変化、肥満などが現れる。

SIADH(ADH不適合分泌症候群)…ADH(抗利尿ホルモン)の産生過剰によって、体内水分貯留が多くなる状態。腫瘍(おもに肺)による異所性ADH産生亢進と下垂体後葉からのADH分泌亢進が原因。低ナトリウム血症を引きおこし、頭痛、倦怠感、悪心などが現れる。

LH単独欠損症…LHは黄体化ホルモンのことで、女性の不妊の原因のひとつになる病気。卵胞刺激ホルモンは正常だが、黄体化ホルモンとテストステロンが低下しているため、受精卵が着床できずに不妊になる。ひげや体毛が濃くなるなどの男性化症状が現れる。

LCAT欠損症…LCATとはレシチンコレステロールアシル転移酵素のことで、この酵素が先天的に欠損していることでおこる極めて稀な遺伝病。角膜混濁、腎不全などがおこる。

黄体機能不全…受精卵が子宮に着床するとき主導的役割をする黄体の機能が不十分な病態。女性の不妊の原因として最も多い。

横紋筋融解症…薬剤(脂質異常症薬)や過激な運動(脱水)によって、横紋筋(骨格についている筋)細胞が破壊される病気。筋肉痛、筋力低下、暗褐色尿(ミオグロビン尿)などの症状が現れる。

【か】

潰瘍性大腸炎…おもに大腸の粘膜にびらん(深さが極めて浅い潰瘍)や小潰瘍を形成する原因不明の病気。20~30歳代に多く出現。下痢、粘血便、腹痛が特徴的症状で、体重減少や微熱も伴う。下痢は1日数回から、ときには10数回にもなる。

解離性大動脈瘤…大動脈は内膜、中膜、外膜の3層からできているが、中膜が裂けて、そのすきまに血液が入り込み、裂け目が徐々に広がる病気。突然、激しい胸痛が出現、しばしば腹部、腰部、首などへ痛みの中心が移動する。

過換気症候群…突然、呼吸数が増し、呼吸をしすぎて酸素を吸いすぎ、意識がボーッとして呼吸困難になる病態。手足がしびれる、胸痛、動悸、けいれんなどの症状も現れる。精神的ストレスによっておこり、思春期のとくに女性に多くみられる。発作はペーパーバッグ法で治まる。紙袋を口と鼻にかぶせてそのまま呼吸させ、30秒くらいしたら紙袋を外し、また紙袋をかぶせて呼吸をさせ、呼吸数が減ってくるまで続ける。

可逆性虚血性神経障害(RIND)…脳の動脈がつまって循環障害を生じ、脳卒中の発作がおこったもので、発作が1日以上20日くらい続いて治まる場合をいう。半身の運動障害、まひ、しびれ、けいれん、ろれつが回らない、言語障害、視力・聴力障害など。

下垂体機能低下症…脳の下垂体前葉が障害を受けて、下垂体前葉ホルモンの分泌が低下する病気。女性では分娩時の大量出血やショック、男性では下垂体にできる腫瘍がおもな原因だが、原因不明の場合も少なくない。

褐色細胞腫…副腎髄質や腹部大動脈付近の交感神経由来の細胞にできた腫瘍。高血圧、動悸、頭痛、発汗、手指のふるえ、不安感、めまい、呼吸困難、腹痛、吐き気、嘔吐、手足の冷感など。

過敏性腸症候群(IBS)…腹痛を中心に、おなかがはる、ガスが多いなどのおなかの不快な症状と、下痢、便秘、あるいは便秘と下痢が交互におこるなどの便通異常が代表的な症状で、腸そのものには何の異常もない病態。毎朝の通勤電車の中で突然、腹痛や便意をもよおし、途中下車を繰り返してはトイレに駆け込むなど。緊張しやすく真面目で頑張り屋の人がなりやすく、若い女性に多いが、近年は中年以降の男性にも増えてきている。

カポジ肉腫…血管をつくっている細胞から発生する悪性腫瘍(血管肉腫)のひとつ。これには古典的なカポジ肉腫と、エイズに合併して発生するカポジ肉腫があり、前者は日本人にはほとんどみられない。多くは手足から発生し、赤~紫~黒色にみえ、次々に多発してくる。

カリニ肺炎…ニューモシスチス・カリニという真菌によっておこる肺炎。健康なときにはかからない日和見感染症のひとつで、エイズなどで免疫不全の状態になると発症する。発熱、呼吸困難、空咳など。

間質性腎炎…間質とは組織の間を埋める結合組織。腎臓の間質の変化を主体としておこる腎疾患を間質性腎炎と呼ぶ。腎盂腎炎、痛風腎、糖尿病性腎症などさまざまな病気でこの所見がみられる。

がん性胸膜炎…肺がんや乳がんなど、さまざまながんが胸膜に転移しておこる胸膜炎。胸や背中の痛み、咳、進行すると呼吸困難など。胸膜炎は昔は肋膜炎と呼ばれていた。

肝膿瘍…細菌やアメーバの感染によって肝臓に炎症がおき、うみのたまる病気。高熱、右上腹部の痛みなど。

期外収縮…最も多い不整脈のひとつで、規則正しいリズムで打っていた脈が急に抜けたように感じるもの。健康な人でもよくおこるが、脈の抜けの頻度が高くなると動悸、めまい、胸痛などが現れる。

吸収不良症候群…腸での栄養物吸収を障害する病気の総称。肝臓・胆道・膵臓・内分泌の病気、胃・小腸・大腸・膵臓の切除後障害、クローン病などでよくおこる。慢性の下痢、体重減少、やせ、貧血、むくみなどが共通の症状。

胸郭出口症候群…首から腕に向かう神経と血管の通路が鎖骨後部あたりで狭くなり、神経と血管が圧迫されておこる病気。肩から腕のこりと痛み、腕のだるさ、手のしびれ、手指のむくみや冷えなど。

強皮症…膠原病のひとつで、皮膚が硬くなる病気。25歳以上の女性に多い。代表的な症状は、手足の指の末端、顔面から始まる皮膚の硬化、レイノー現象(手足の指が青白くなる)、関節痛、空咳、胃痛など。

巨赤芽球性貧血…造血ビタミンといわれるB12、あるいは葉酸の欠乏によって巨赤芽球が増加する大球性貧血の総称。胃全摘後(悪性貧血)、がん、抗がん薬使用などによっておこる。

ギランバレー症候群…神経細胞の軸索をとり囲む髄鞘ずいしょうが壊れるなどしておこる病気。原因不明。多くはかぜや下痢が治ったあと(感染が先行し)、ほぼ左右対称性の運動まひが2~4週間続く。多くは3~6カ月でほぼ完全に治る。

筋ジストロフィー症…男子のみに発症する筋肉の病気。3~5歳頃から四肢の筋力低下のため、歩くときに少しおなかを突き出して腰をゆらせながら歩く、膝に手をあてて支えないと立ち上がれない、上肢を十分に上げられないようになる。20歳代で呼吸筋低下のため、呼吸不全や心不全をおこし、多くは予後不良。

クッシング症候群…副腎皮質ホルモンのコルチゾールが過剰に分泌されておこる病気。満月様顔貌がんぼう、著しい躯幹の肥満、肩から首にかけての野牛様の盛り上がり、高血圧、性機能異常、ひげや体毛が濃くなるなどの男性化症状、月経異常など。

クラインフェルター症候群…性染色体の数の異常によりおこる状態。思春期になっても大きくならない睾丸(陰茎や陰嚢などの外性器はほぼ正常)、不妊症が特徴。

クラミジア感染症…クラミジアという微生物の感染によっておこる病気の総称。感染すると肺炎や気管支炎、咽頭炎、封入体結膜炎、オウム病、トラコーマなどを発症。近年では性行為によるクラミジアの感染が増加。感染すると男性では尿道炎や前立腺炎、女性では子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎などが発症する。

グルカゴノーマ…膵臓のランゲルハンス島に存在する、グルカゴンというホルモンを分泌する細胞(A細胞)が腫瘍化しておこる病気。80~90%以上が悪性腫瘍。糖尿病の悪化、皮膚の紅斑、舌炎、脱毛、体重減少、貧血などを伴うことが多い。

クレチン症…先天性甲状腺機能低下症ともいう。先天的に甲状腺ホルモンの欠乏した病態で、知能障害などをもたらすため早期治療が必要。現在の日本では新生児スクリーニング検査が実施されており、約4000人に1人の割合で発見されている。

クローン病…小腸や大腸の粘膜に散在する潰瘍ができる病気。その他、皮膚、関節、肝臓、眼にも病変がおこる。原因不明で10~30歳代に多く発症する。腹痛、慢性持続性の軟便・下痢、体重減少、下血、血便、貧血など。

血管性紫斑病…四肢とくに下肢に点々とさまざまな大きさの出血性の発疹が出る病気。関節の痛みやはれ、激しい腹痛を伴うこともある。幼児、学童期に多く、おそらくアレルギー反応によっておこると考えられている。

血小板機能異常症…血小板の機能がさまざまな原因で異常になった状態で、先天性と後天性がある。先天性血小板機能異常症には血小板無力症、ベルナール・スーリエ症候群などがある。後天性血小板機能異常症は尿毒症、白血病、真性多血症、薬剤による障害、肝機能障害などによっておこる。

血小板無力症…先天性の血小板機能異常症で、幼少期から鼻出血、皮下出血、粘膜出血が反復して現れる。血小板の数や形態は正常。血縁者に患者がいる場合に発症する。

原発性アルドステロン症…副腎皮質に腫瘍ができるなどしてアルドステロンの分泌が過剰になっておこる病気。高血圧、低カリウム血症、手足のまひなど。

原発性胆汁性肝硬変…自己免疫疾患のひとつで原因不明。肝臓内胆汁がうっ滞をして肝硬変像を示す病気。黄疸、皮膚のかゆみ、肝腫大、脾腫大がおもな症状。大部分が30~50歳代の女性に発症する。

原発性マクログロブリン血症…血液中に分子量の大きな蛋白質(マクログロブリン)が増量する稀な病気。Bリンパ球の腫瘍性増殖。

膠原病…1940年代にクレンペラーという病理学者が、リウマチ熱、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、結節性動脈周囲炎、皮膚筋炎(多発性筋炎)、強皮症の6つの病気を研究した結果、これらの病気は膠原線維に変化がおこっているという共通点のあることを発見したため、膠原病と名づけた。膠原線維とは、結合組織(細胞や組織の間を埋める支柱組織で各臓器に存在する)のおもな構成成分である線維性の蛋白質。
 現在では、膠原病は自己抗体が自己の成分と反応して(攻撃して)、皮膚・関節・血管および内臓・諸臓器を冒す病気(自己免疫疾患)と考えられている。上記6つの病気のほか、混合性結合組織病、シェーグレン症候群もよく似た症状を示すため膠原病に含めることもある。

甲状腺機能亢進症…バセドウ病、プランマー病など甲状腺ホルモンが増加した病態。動悸、頻脈、体重減少、手のふるえ、疲労感、食欲亢進、下痢、眼の具合が悪くなるなど。

甲状腺機能低下症…何らかの原因で甲状腺のホルモンの量が少なくなったり、その作用不足によって全身の代謝機能が低下する病態。目の周囲や顔全体がはれぼったくなる、皮膚の乾燥・あれ、寒がり、巨大舌、体重増加、脱毛、生理不順、声が低くなる、便秘、意欲減退、発語遅延など。

ゴーシェ病…先天性代謝異常症のひとつ。グルコシルセラミドという糖脂質を分解する酵素が欠損しているために、この糖脂質が細胞内にたくさん蓄積しておこる病気。精神運動発達遅滞、知能障害、肝腫、脾腫、貧血、出血傾向、など。

骨髄線維症…骨髄が線維化し、著しい貧血、肝腫や脾腫がおこる病気。中高年以降に発症するが、極めて稀な病気。

骨粗鬆症…骨からカルシウムが溶け出し、骨量が減って軽石のように密度が粗くなり、もろくなってすぐ骨折するようになる病気。最も多いのが閉経後5~10年で現れる閉経後骨粗鬆症と高齢者の老人性骨粗鬆症。

骨軟化症…骨の質が悪くなって、骨の変形、腰や背中、関節の痛み、筋力低下、けいれんなどがおこる病気。成長期におこるものを「くる病」という。

骨肉腫…骨におこる悪性腫瘍(悪性骨腫瘍)のひとつで、腫瘍細胞が骨(類骨)組織をつくって増殖する病気。原発性の悪性骨腫瘍の中で最も頻度が高く、小学生から大学生くらいまでの若い年齢層に集中して発症する。

混合性結合組織病…全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎の症状をあわせもつ重複症状が特徴の膠原病。

【さ】

再生不良性貧血…骨髄での赤血球系、白血球系、血小板系の3系統いずれもの造血能力が障害され、減少する貧血。白血球減少により感染しやすくなり、また血小板減少により出血傾向を示す。

サイトメガロウイルス感染症ヘルペスウイルス群に属するサイトメガロウイルスの感染によっておこる病気で、健康なときにはかからない日和見感染症のひとつ。人の半数以上はこのウイルスに感染している。ふだんは問題ないが、エイズなどで免疫不全の状態になると発症し、とくに末期になると半数以上に網膜炎がおこり、失明の原因になる。

サラセミア…ヘモグロビンのある部分の合成異常によっておこる低色素性小球性貧血。地中海沿岸地方に多いため、地中海性貧血とも呼ばれる。

サルコイドーシス…肺、リンパ節、皮膚、眼、心臓などの多臓器に肉芽腫が出現する原因不明の病気。北欧人に多く、日本人には少ない。リンパ節のはれ、咳、呼吸困難、光がまぶしい、視力障害など。

CETP欠損症…CETPとは、cholesterol ester transport protein 、すなわちコレステロール・エステル転送蛋白が欠損している病気。HDL はこの蛋白の働きによって、末梢組織でとり込んだコレステロールを他へ転送しているが、欠損すると転送できずに蓄積し、高HDL 血症をおこす。動脈硬化との関係は現在研究中。

シェーグレン症候群…涙腺や唾液腺などの外分泌腺が破壊されて、種々の乾燥症状が出る病気。眼や口の乾燥感、眼の異物感、虫歯の増加、耳下腺のはれなどに加え、約半数に関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病を合併する。ほとんど女性に発症し、30~50歳代に多い。

自己免疫性膵炎…原因として免疫の関与が推定される膵炎。(閉塞性)黄疸、腹痛などが現れる。

シスチン尿症…シスチンは動植物に広く存在する含硫アミノ酸。腎臓の尿細管におけるシスチンの再吸収機構の障害によって、シスチンやリジンなどのアミノ酸の排泄が増加する病気で、尿路結石をおこす。

自然気胸…肺の中の肺胞が急に破裂し、空気が胸腔に漏れて肺が縮んでしまう病気。突然の胸痛と呼吸困難で発症する。若い人、とくにやせている男性に多くみられる。

住血吸虫症…住血吸虫という寄生虫によっておこる病気。人に寄生する住血吸虫にはおもに日本住血吸虫、マンソン住血吸虫ビルハルツ住血吸虫。皮膚をとおして感染し、日本住血吸虫とマンソン住血吸虫はおもに肝臓、ビルハルツ住血吸虫はおもに膀胱・直腸、陰嚢・会陰部の障害を引きおこす。

重症筋無力症…神経と筋肉との接合部が障害されて筋肉に力が入りにくくなる自己免疫疾患。まぶたが重い、物が二重にみえる、顔面、手足、体幹の筋力低下、疲れやすいなど。

手根管症候群…手のひらの中枢部にある手根管の中を通っている神経が圧迫されるなどしておこる病気。手指のしびれ(とくに夜間)、また朝の手指のこわばりなど。女性に圧倒的に多く、妊娠・出産・更年期などのホルモンの乱れ、手の使い過ぎ、腱鞘炎が原因で発症する。

心筋炎…細菌、ウイルス、リケッチア、真菌などが原因で心筋に炎症がおこる病気。かぜ様症状、動悸、頻脈、胸痛などが症状だが、診断が難しく、かぜとして見落とされることが少なくない。

心筋症…現在のところ原因は不明で、心臓の筋肉が冒される病気の総称。肥大型心筋症、拡張型心筋症などがある。肥大型の症状は労作時の軽い動悸・息切れ、胸部圧迫感、めまい、失神発作など。拡張型は動悸、呼吸困難、胸部圧迫感、むくみ、疲れやすいなど。

心室中隔欠損症…生まれつき、左心室と右心室の間の壁にあながあいている病気で、赤ちゃんの先天性の心臓病の半数を占めている。大部分は孔が小さく、多くは1~2歳までに自然に閉鎖し、健康体になる。孔が大きい場合は生後2~3カ月で心不全をおこすため、手術が必要になる。運動時の動悸、息切れなど。

心臓神経症…心臓自体に病気はないのに、動悸や呼吸困難、胸痛、疲労感などがおこるもの。心臓病に対する不安感が背景にあり、つねに心臓のことが頭から離れなくなる。検査をして心臓に異常がなければ、そのことをよく納得し、医師を信頼して治療を受けることが大切。

心房細動…脈のリズムがバラバラになる不整脈。リズムが不整なため、動悸や胸部不快感、また呼吸困難になることもある。

心膜炎…心臓のいちばん外側の心外膜と、心臓を包む心膜に炎症がおきて膜の間に水のたまる病気。ウイルス、細菌、結核菌などの感染によっておこるが、原因不明が最も多い。発熱、発汗、倦怠感、体重減少、胸痛、息切れなどが急性心膜炎の症状。

水晶体起因性ぶどう膜炎…水晶体過敏性眼内炎ともいう。眼の水晶体を包んでいる膜が損傷を受けて水晶体蛋白が房水中へ出ると、これを抗原と認識しておこるアレルギー性の炎症。虹彩毛様体炎の形をとることが最も多い。眼が赤い、痛い、まぶしい、視力が落ちるなど。

水腎症…尿路の狭窄や閉塞によって尿の流れの停留がおこり、狭窄・閉塞部より上部の腎盂じんう腎杯や尿管が拡張する病気。先天的な狭窄、腫瘍や結石による狭窄・閉塞などによっておこる。自覚症状はなし。両側の腎臓が水腎症になると腎不全状態になる。

膵嚢胞…膵臓内にできた液体を含む袋。原因不明が多いが、膵炎、膵臓の外傷や腫瘍などによってもおこる。症状は上腹部の痛み、圧迫感、しこりなどだが、嚢胞が小さいと無症状。

スプルー…熱帯性下痢(熱帯性スプルー)、ウィップル病(非熱帯性スプルー)などを指す。前者は脂肪便、やせ、舌炎、胃腸障害、貧血などが主症状。後者は脂肪便、体重減少、腹部症状、関節痛など。

性早熟症…脳の下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの分泌が早すぎておこる病態。男子では9歳未満での陰茎、陰嚢(睾丸)の発育、10歳未満で陰毛の発生など、女子では7歳未満での乳房、乳輪の発育肥大、8歳未満で陰毛の発生などが目安。乳房や恥毛のみが早く出現する早発乳房や早発恥毛は治療の必要はない。

脊髄小脳変性症…徐々に小脳、脊髄の神経細胞が変化していく進行性の病気。原因不明で、有効な治療法もない。

脊椎カリエス…体内に侵入し潜伏していた結核菌が血流にのって背骨に達し、増殖して少しずつ背骨を破壊する骨の結核。慢性的な背骨や腰の痛み、進行すると骨が出っ張ったり、下半身がしびれてまひする。

脊椎分離症…腰椎の一部に亀裂(分離)がおこって腰が痛む病気。若い頃、スポーツをしていて腰痛をおこした経験をもっている人に多い。

全身性エリテマトーデス(SLE)…膠原病のひとつ。レイノー症状(手の指が蒼白~紫色~紅色に変化して痛む・しびれる)、しもやけ、顔に蝶形紅斑、手掌紅斑、円盤状皮疹、持続する発熱、食欲不振、貧血、関節痛、腎炎など。

僧帽弁狭窄症…心臓弁膜症のひとつ。2枚ある僧帽弁が癒着するため、左心房から左心室へ血液がスムーズに流れなくなって発症する。大部分が学童期にかかったリウマチ熱が原因。息切れしたり疲れやすくなり、進行すると心不全症状が現れてくる。

【た】

大腸憩室症…憩室とは、管状になっている臓器の一部が外に突出して袋状になったもの。ほとんどが無症状で治療の必要もないが、憩室内に便や食物残渣ざんさがはまり込み、炎症(憩室炎)をおこすと腹痛、発熱、腹部膨満感、ときに血便などが現れる。

大動脈縮窄症…心臓の大動脈がくびれて細くなっている病気で、先天性血管奇形のひとつ。下肢の血圧より上肢の血圧のほうが高いのが特徴で、その他、頭痛やめまい、歩行時の足の痛みなど。適切な治療を行わなければ脳出血や心不全、大動脈瘤などを合併しやすい。

多血症…赤血球増多症ともいい、血液中に赤血球が基準以上に増加している病態をいう。さまざまな原因で多血症はおこるが、原因不明で赤血球系の腫瘍性増殖によるものを真性多血症といい、慢性の経過をたどって頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感、呼吸困難、脾臓の腫大などが現れてくる。

唾石症…唾液腺の中や唾液が通る管の中に石ができる病気。石が大きくなると唾液の流れが止められ、頬や下顎がはれてツーンとした痛みを感じる。

多嚢胞性卵巣症候群…卵巣の腫大、多嚢胞化、白膜の肥厚がおこり、無排卵、無月経、不妊をおもな症状とする症候群。

多発性筋炎・皮膚筋炎…皮膚と筋肉が障害される膠原病のひとつ。全身の筋肉とくに四肢・腰・頸・咽頭筋の炎症のため、脱力、筋肉痛、発熱などをおこす。悪性腫瘍の合併頻度も高い。

多発性骨髄腫…形質細胞の悪性腫瘍。腰背部痛や神経症状がおこり、わずかな力で骨折する。

胆汁うっ滞性肝炎…肝炎ウイルス、薬剤などによっておこった肝炎の中で、肝臓内の胆汁うっ滞が主症状の肝炎のこと。

単純性甲状腺腫…体がホルモン不足になったとき、甲状腺がホルモンをたくさんつくって補うために大きくはれる状態。病気というより正常な反応と考えられ、甲状腺のはれ以外症状はない。

男性化副腎腫瘍…副腎皮質にできた腫瘍によって男性ホルモンが過剰に分泌され、低い声、頭髪の後退、ひげや体毛の発達などの男性化症状が現れる病態。

男性化卵巣腫瘍…卵巣にできた腫瘍によって男性ホルモンが過剰に分泌され、低い声、頭髪の後退、ひげや体毛の発達などの男性化症状の現れる病態。

男性不妊症…男性に原因があって子供ができない状態。原因は、睾丸の造精機能の障害、精路通過障害、精子の運動障害、性交障害・射精障害の4つが考えられている。

腸結核…結核菌の感染によっておこる腸の病気。腹痛、体重減少、発熱、下痢、疲れやすいなど。

TSH 産生腫瘍…TSHとは、脳の下垂体前葉というところから分泌される甲状腺刺激ホルモンのことで、この下垂体前葉に腫瘍ができる極めて稀な病気。このホルモンが過剰に分泌されて甲状腺機能亢進症をおこす。

停留睾丸…睾丸は胎児のときは腹腔にあり、発育するにつれて下がり、出生時には陰嚢底に定着するが、この下降の途中で止まってしまう病態。平均して新生男児の数%にみられるが、その半数以上は1カ月以内に自然に下降、1歳時での頻度は1%以下になる。

鉄芽球性貧血…ヘモグロビンをつくるヘム(鉄を含んだ色素)の合成障害によって鉄の利用が悪くなっておこる貧血。顔面蒼白、息切れ、動悸、倦怠感など貧血の一般症状のほか、肝腫や脾腫なども出現することがある。後天性の原発性獲得性鉄芽球性貧血は急性白血病に転化しやすい。

糖原病…糖原(グリコーゲン)が先天的に利用できずに、さまざまな臓器にたまる病気。肝臓にたまる肝型糖原病が多く、食事前に元気がない、汗をかくなどの症状や、身長が低い、おなかが出ている(肝臓の腫大)、丸顔(人形様顔貌がんぼう)などの身体的特徴を示す。

糖尿病性ケトアシドーシス…膵臓から分泌されているインスリンというホルモンの作用が著しく欠乏しておこる代謝異常の病態。インスリン依存型糖尿病の発症時やインスリン注射を中止したとき、非インスリン依存型糖尿病で急性感染症や心筋梗塞、脳卒中などを合併したときにおこる。多飲、多尿、食欲異常、腹部症状、体重減少、意識障害、過呼吸など。

糖尿病性ニューロパチーニューロパチーとは末梢神経のさまざまな病気のことで、糖尿病によっておこるもの。四肢末端のしびれ、知覚低下、足底部の灼熱感、筋力低下、インポテンツ、慢性便秘、下痢など。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)…皮膚や粘膜に出血斑が出て、物にぶつかると青あざができやすく外傷部の出血がなかなか止まらない病気。血小板が減少して毛細血管が弱くなっておこるが、血小板の減少をまねく原因になる病気や遺伝的要因が認められないもので、血小板に対する自己抗体の関与が考えられている。風疹や水痘、かぜにかかったのち2~3週間してからおこることが多い。

特発性多毛症…多毛症とは、本来は軟毛である女性の体毛が何らかの原因で硬毛になる現象。原因不明の多毛症が特発性多毛症。四肢の多毛から始まり、顔面にひげ、外陰部の発毛が男性型になる。

【な】

尿道憩室…尿道の壁の一部が袋状に拡張する病気。多くは炎症、外傷、結石などから発生する。

尿崩症…脳下垂体後葉ホルモンのひとつ、抗利尿ホルモンの分泌障害によって、尿量が異常に増加する病気。約半数は原因不明だが、脳腫瘍や交通事故などによる頭部外傷によっても発症する。多くは突然、尿量が4~10ℓ、あるいはそれ以上になる。

ネフローゼ症候群…ネフローゼとは、大量の蛋白が尿中に漏れたため、血液中の蛋白が減少(低蛋白血症)、脂質が上昇(脂質異常症)、強いむくみの現れる病態。腎臓の糸球体疾患(急性・慢性腎炎など)のほか、糖尿病、全身性エリテマトーデス、多発性骨髄腫などによっておこる。

粘液水腫…皮膚の真皮にムチンという物質が沈着する病気で、甲状腺の機能低下が原因と考えられている。発汗、皮脂分泌の減少、皮膚の乾燥や冷感、手や目の周囲のむくみ、頭髪が粗く少なくなるなど。

脳動脈硬化症…脳の血管が狭くなるなどして不定の精神・神経症状が現れる病気。脳の局所症状(片まひなど)はみられない。診断基準は、40歳以上で頭痛、頭重感、めまい、物忘れ、疲労感、しびれ、言語障害、睡眠障害などのあるとき。

【は】

パーキンソン病…中高年に多い病気。運動機能をコントロールする大脳基底核の黒質線条体というところに病変がおき、ドーパミン(神経伝達物質)をつくる黒質細胞が変性・消失するために発症すると考えられている。はじめに疲労感、筋肉痛などがあり、次第に日常の動作が緩慢になり、手足のふるえ、無表情、前屈姿勢、歩行困難などを伴うようになる。

バーター症候群…腎臓(傍糸球体装置)にあるレニン産生細胞の過形成に伴う、副腎皮質からのアルドステロン過剰産生によっておこると考えられている。低カリウム血症、代謝性アルカローシス、血圧低下を引き起こし、筋力低下、四肢まひ、多尿・多飲、低身長などが現れる。

肺気腫…肺の肺胞の壁が壊れておこる病気。咳、痰、呼吸困難、動悸など。男女比、ほぼ10対1で男性に多い。

肺線維症…肺の肺胞の壁に線維が増殖する病気。呼吸困難、空咳、ばち状指(指の先端が丸身を帯び、太くなる)など。

橋本病…慢性甲状腺炎ともいう。自己免疫疾患の代表的な病気。多くは甲状腺のはれが唯一の症状で、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症をおこす原因になると考えられている。

播種性血管内凝固症候群(DIC)…肺炎や敗血症などの感染症、がんや白血病、全身性エリテマトーデスなどの膠原病、妊娠中毒症などの産科的疾患などの基礎疾患があると、全身の血管内にたくさんの微小血栓ができ、そのため凝固因子や血小板が消費されて減少する病気。出血傾向がおこって出血がとまらなくなる。

バセドウ病…自己免疫疾患のひとつで、甲状腺機能亢進症の原因になる。20~40歳代の女性に多く発症。眼球突出、頻脈、動悸、体重減少、手のふるえ、多汗、疲労感、下痢、食欲亢進など。

バンチ症候群…近年は特発性門脈圧亢進症ということが多い。脾腫大、貧血、門脈圧亢進を示し、肝硬変、血液病、寄生虫病などのない場合を指す。

不安神経症…不安は多かれ少なかれ、誰にでもあるが、それがわずかな原因で強く現れすぎて長く続く場合をいう。不安が急激に高まると動悸がおき、体がふるえ、胸が苦しくなって冷や汗を流し、いまにも死ぬのではないかという恐怖にとりつかれる。最初の発作のほとんどは長くても1時間ほどで治まるが、一度発作を経験すると、またおこるのではないかとさらに不安が高まり、今度はすぐには病院へ行けない場所などで発作がおきるようになり、次第に外出もできないような状態に陥る。心療内科や精神科での治療が必要。

副甲状腺機能亢進症…副甲状腺に腫瘍ができて(原発性)、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されておこる病気。慢性腎不全(腎透析)に伴う二次性も重要。体がだるい、疲れやすい、喉が渇く、尿量が多い、食欲不振、体重減少、関節痛など。

副甲状腺機能低下症…副甲状腺ホルモンの分泌不足や作用機序が障害されておこる病気。体がだるい、疲れやすい、手指が硬直しやすい、手足がつりやすい、口のまわりがしびれやすいなど。

副腎クリーゼ…急性副腎不全ともいう。両側の副腎が急激に破壊されたときや、慢性副腎機能低下症の人にストレスが加わったときにおこる。初期は食欲不振、やせ、全身倦怠感、吐き気、嘔吐、下痢、不安感などアジソン病と同様の症状が出現。放置すると血圧低下。意識低下などがおこって重篤な状態に陥る。

プランマー病…甲状腺に腫瘍ができる病気で、甲状腺機能亢進症の原因になる。30~40歳代に多い。頻脈や不整脈、動悸、体重減少、手のふるえ、多汗、疲労感、下痢、食欲亢進など。

蜂窩織炎(蜂巣炎)…最近は蜂巣炎と呼ぶことが多い。主としてブドウ球菌が、手足の気づかないような小さな傷から感染しておこる皮膚の病気。子供に発症することは稀で、手足に痛みのある赤いはれが現れ、寒気や熱が出る。

房室ブロック…心臓の房室結節とヒス束という組織が障害(ブロック)されておこる不整脈のひとつ。ブロックの程度は一度、二度、三度に分類され、三度房室ブロックは病的で治療が必要。心臓ペースメーカーを埋め込めば普通の生活ができる。

ホジキン病…血液のがんで、悪性リンパ腫の一種。感染などから体を守る働きをするリンパ節や脾臓、扁桃などの細胞が悪性化し、増殖しておこる。リンパ腺腫大、貧血、発熱など。

発作性上室性頻拍症…急に脈が速くなって動悸がおこり、また動悸が急に治まるのが特徴の不整脈。ときに失神することもある。息をこらえる、指を喉に入れて吐こうとする、などが発作を止める方法として知られている。

発作性夜間血色素尿症…溶血性貧血の一種。夜間睡眠中に強い溶血がおこって、早朝に排泄する尿がコーラのような色になる。貧血症状、ときに腹痛があるほか、あまり特徴的な症状はない。

ポルフィリン症…ポルフィリンは色素の一種で、ヘモグロビンやある種の酵素を構成する物質。このポルフィリンの生成に異常がおこり、皮膚や肝臓などに蓄積されておこる病気。ポルフィリン症には3つあり、先天性ポルフィリン症は光線過敏、赤色尿、貧血など、骨髄性プロトポルフィリン症は光線過敏がおもな症状。晩発性皮膚ポルフィリン症は長期間、大量飲酒している中年男性におこり、肝機能障害、顔面や手背の水疱などが現れる。

【ま】

マロリー・ワイス症候群…過度の飲酒などによって嘔吐がおこる際、食道と胃の境目の粘膜が裂け、粘膜下の細動脈が切れて出血する病態。激しい嘔吐を繰り返したのち、多量の新鮮血を吐き出すのが特徴。

慢性硬膜下血腫…軽い頭部外傷ののち、脳の表面に血液がたまってくる状態(血腫)。外傷後、約3週間~3カ月後に頭痛が始まり、運動障害や性格変化など精神症状が現れてくる。圧倒的に男性にみられ、中年以降でアルコールを大量に飲む人に多く発症する。高齢者では記憶力障害など精神症状が強いため、痴呆や精神病と間違えられることも少なくない。

慢性骨髄性白血病…骨髄顆粒系細胞の腫瘍性異常増殖によっておこる病気。初期は無症状。貧血、軽いだるさ、体重減少、左側腹部のしこり(脾腫)など。

メニエール病…耳の内耳の病気で、繰り返すめまいに、難聴や耳鳴りを伴うもの。めまいが激しいときは吐き気、嘔吐、冷や汗、動悸などもおこる。

【や】

遊走腎…息を吸ったときや立ったときに、腎臓が下降する程度が大きいため、いろいろな症状の出る病気。長時間立っていたり、歩行のあとに側腹部や腰部に鈍痛や重圧感を感じるのが特徴。その他、血尿、頻尿、食欲不振、嘔吐、便秘、下痢などが現れるが、無症状のことも多い。

【ら】

卵巣機能不全…卵巣が正常に働かず、無月経などの月経異常などがおこる状態。原因として、卵巣の未発達、ダイエット、消耗性疾患、糖尿病、薬物の副作用などが考えられる。

リウマチ熱…膠原病のひとつ。A群溶血連鎖球菌の感染の結果としておこる炎症性の病気。年長の幼児から学童期に多く発症する。発熱が続き、膝や手足などの関節の痛みやはれが移動しながら出現する。また心臓にも炎症をおこす。

ループス腎炎…全身性エリテマトーデスに合併する糸球体腎炎のひとつ。無症状のものから急速進行性糸球体腎炎をおこすものまでさまざま。

ルポイド肝炎…自己免疫性肝炎ともいう。まだ確定的な原因は明らかにされていない。肝機能障害、発熱、発疹、関節痛などが現れ、また橋本病やシェーグレン症候群などの自己免疫性疾患を高率に合併する。

レイディッヒ細胞腫瘍…睾丸の間質細胞から発生すると考えられている腫瘍。通常、片側性で、睾丸の無痛性の腫瘤として触れられる。小児に発症すると、多くは大性器症、性的早熟がみられ、成人では一部女性化乳房を伴う。

レッシュ・ナイハン症候群…男子のみに発症する、特殊な酵素の欠損によっておこる遺伝病。5~6歳の頃から手足の異常な運動、心身の発達遅延、自分の手指や唇を噛む、高尿酸血症、痛風などが現れる。

レニン産生腫瘍…腎臓の傍糸球体細胞にできた腫瘍で、レニンを過剰に分泌する。高血圧、高アルドステロン血症を示す。

出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報

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