アラビア医学(読み)アラビアいがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラビア医学」の意味・わかりやすい解説

アラビア医学
アラビアいがく

7世紀にイスラム教が興って広大なイスラム文化圏を形成した時代にそこで行われた医学。その源は古代ギリシアおよびローマ医学で,これにインドおよび中国の医学知識が加わり,錬金術など新しい方法も独自に開発されて,薬物知識の豊富なアラビア医学が形成された。 11世紀末にサレルノ医学校が興隆したことは,アラビア医学と西欧キリスト教医学との結合の道を開き,アラビア語に訳されていた古代ギリシア医学の文献がここで再びラテン語に訳され,その後のヨーロッパの医学の発達に多大な影響を与えるにいたった。今日アラビア医学は,その独創性は認められているものの,古代ギリシア医学を文化遺産として後世に伝えたことのほうで,より評価されている。

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