アリューシャン低気圧(読み)アリューシャンテイキアツ(その他表記)Aleutian low

デジタル大辞泉 「アリューシャン低気圧」の意味・読み・例文・類語

アリューシャン‐ていきあつ【アリューシャン低気圧】

アリューシャン列島海域に、ほぼ定常的に存在する大きな低気圧大西洋アイスランド低気圧と同じく、亜寒帯低圧帯に属す。冬に最も発達し、夏は弱まる。

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精選版 日本国語大辞典 「アリューシャン低気圧」の意味・読み・例文・類語

アリューシャン‐ていきあつ【アリューシャン低気圧】

  1. 〘 名詞 〙 ( アリューシャンはAleutian ) ベーリング海からアリューシャン列島付近にほぼ定常的に存在する大きな低気圧。冬にもっとも発達。西高東低型気圧配置の「東低」部分はこの低気圧にあたる。

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改訂新版 世界大百科事典 「アリューシャン低気圧」の意味・わかりやすい解説

アリューシャン低気圧 (アリューシャンていきあつ)
Aleutian low

地球を1周する大規模な上空偏西風の流れは,アジア大陸地形と,アジア大陸と北太平洋上の間の温度差の影響で,南北に大きく蛇行し,冬季には大陸東岸に停滞性の南北にのびる大きな低圧部,アラスカ上空に停滞性の高圧部をつくる。大陸の東岸から日本付近に発生する地上の低気圧は,この上空の南西の流れに支配されて北東に進んで発達し,アレウト(アリューシャン)列島の海域でその最終段階を終える。比喩的にこの海域は低気圧の墓場とも呼ばれている。かくしてアレウト列島海上では冬の間,常に大きな低気圧が存在し,特有な天候となる。月平均の海面気圧分布図を描くと,冬は半径2000km以上の大きな低気圧となる。これをアリューシャン低気圧と呼んでいる。夏季は上空の流れが変化し,海面上では低気圧活動があって雲も多いが,平均をとるとアリューシャン低気圧は弱まり小さくなって認め難い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アリューシャン低気圧」の意味・わかりやすい解説

アリューシャン低気圧
アリューシャンていきあつ
Aleutian low

北半球亜寒帯低圧帯のうちアリューシャン列島付近に中心をもつ発達した低気圧。冬季に最も発達し,アラスカ西部,カムチャツカ半島を覆う。しかし夏季にはほとんど消滅してしまう。北アメリカ大陸北部の天候と密接な関係をもち,冬季北アメリカ大陸の太平洋岸に南寄りの風をもたらす。さらにアイスランド低気圧とともに,その消長は北半球全体の天候をも左右する。

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百科事典マイペディア 「アリューシャン低気圧」の意味・わかりやすい解説

アリューシャン低気圧【アリューシャンていきあつ】

冬季に最も頻繁(ひんぱん)に現れ,シベリア高気圧との間に西高東低型の気圧配置を形成し,北太平洋の広い範囲に北西季節風を吹かせる低気圧。

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