アルゴドネス鉱(読み)あるごどねすこう(英語表記)algodonite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルゴドネス鉱」の意味・わかりやすい解説

アルゴドネス鉱
あるごどねすこう
algodonite

銅とヒ素の合金鉱物ともみることができるが、分類上は金属過剰の硫化物に含められている。原子配列上は等軸最密充填(じゅうてん)構造の銅原子が六方最密充填構造をとったものとみなすことができる。化学式はCu6Asと与えられるが、単位格子中に2(Cu,As)が含まれることになる。自形未報告。

 比較的古い地質時代の塩基性岩中に自然銅をはじめ自然銀や他のヒ化銅の鉱物と共存する。日本では産出は知られていない。同定は自然銅に匹敵する比重粉末にならないこと。自然銅のような赤味がない。命名は原産地チリのアタカマAtacama地方、コキムボCoquimbo地区にあるアルゴドネスAlgodones鉱山にちなむ。

加藤 昭]


アルゴドネス鉱(データノート)
あるごどねすこうでーたのーと

アルゴドネス鉱
英名algodones
化学式Cu6Asあるいは(Cu,As)
少量成分Ag
結晶系六方
硬度4
比重8.72
鋼灰ないし銀白。空気中でさびて暗色化する
光沢金属
条痕灰白
劈開無(「劈開」の項目を参照
その他粉末にならない。ハンマーの打撃程度ではなかなか壊せない

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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