日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルゴドネス鉱」の意味・わかりやすい解説
アルゴドネス鉱
あるごどねすこう
algodonite
銅とヒ素の合金鉱物ともみることができるが、分類上は金属過剰の硫化物に含められている。原子配列上は等軸最密充填(じゅうてん)構造の銅原子が六方最密充填構造をとったものとみなすことができる。化学式はCu6Asと与えられるが、単位格子中に2(Cu,As)が含まれることになる。自形未報告。
比較的古い地質時代の塩基性岩中に自然銅をはじめ自然銀や他のヒ化銅の鉱物と共存する。日本では産出は知られていない。同定は自然銅に匹敵する比重。粉末にならないこと。自然銅のような赤味がない。命名は原産地チリのアタカマAtacama地方、コキムボCoquimbo地区にあるアルゴドネスAlgodones鉱山にちなむ。
[加藤 昭]
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