アレクサンドリ(読み)あれくさんどり(英語表記)Vasile Alecsandri

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アレクサンドリ」の意味・わかりやすい解説

アレクサンドリ
Alecsandri, Vasile

[生]1819/1821.6.14. モルドババカウ
[没]1890.8.22. ミルチェシュチ
ルーマニア劇作家詩人。貴族の出身で,パリに6年間留学,帰国後詩を発表するとともにルーマニア民謡を集めて発行した。 1848年の革命に中心的指導者として活躍,革命の敗北後一時西ヨーロッパに亡命。その後ヤシの国民劇場の支配人に任命され,多くの風刺的喜劇を発表,ルーマニア民族演劇の発展に尽した。また詩集悲歌すずらん』 Doine şi lǎcrimioare (1853) やモルドバの風景をうたった詩『パステル画』 Pasteluriその他によってロマン派の愛国詩人として国民の敬愛を集めた。小説『一枚の金貨の物語』 Istoria unui galben (44) ,喜劇『ヤシのカーニバル』 Iaşii în carnaval (52) も有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アレクサンドリ」の意味・わかりやすい解説

アレクサンドリ
あれくさんどり
Vasile Alecsandri
(1821―1890)

ルーマニアの詩人、劇作家。青年時代パリに留学し、啓蒙(けいもう)主義思想の影響を受けて帰国、「一八四八年の革命」に参加したが、その失敗後一時亡命、1859年の国家統一の際には外交官として活躍した。『田舎(いなか)のキリツァ』(1852)などの喜劇によってルーマニア民族演劇を確立し、また民謡の集大成を西ヨーロッパに紹介した。『ドイナ』(1853)、『伝説』(1877)など詩集も多い。

[直野 敦]

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