アンスリウム(読み)あんすりうむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンスリウム」の意味・わかりやすい解説

アンスリウム
あんすりうむ
[学] Anthurium

サトイモ科(APG分類:サトイモ科)の観葉植物。熱帯アメリカ原産。葉のとれたあとが茎状となり伸びるが、ほとんど茎のない種類もある。葉は長い葉柄をもち、心臓形、長楕円(ちょうだえん)形、掌状と変化に富む。園芸品種として花(仏炎包(ぶつえんほう))の美しいものと葉の色彩模様の美しいものが栽培される。代表種は、ハワイの切り花として有名なオオベニウチワと鉢花向きのベニウチワで、ほかに葉が広心臓形、表面が暗緑色ビロード状で葉脈のみが銀白色のクリスタルリナム、ビロードウチワ、細長い肉厚の葉が深緑色ビロード状のワロクェアナムがよく知られる。冬の管理がたいせつで、15℃以上を保ち湿度を高くする。繁殖は、種のできるものは実生(みしょう)。茎状部分で取木も可能。

[坂梨一郎 2022年1月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンスリウム」の意味・わかりやすい解説

アンスリウム
anthurium

サトイモ科の多年草で,アンスリウム属 Anthuriumの植物のうち観賞用にされるものの総称。熱帯アメリカ原産。鉢植にして温室で育てる。サトイモ科特有の花序に付属する仏炎包が赤,白,桃色あるいは斑 (ふ) 入りなどもあり,美しい。ベニウチワ,オオベニウチワなどはこの花序と包葉を観賞する。特に後者(A. andraeanum)はハワイで大規模に栽培され,切り花として日本でも親しまれている。また観葉植物として育てる種類もあり,シロシマウチワはハート形の葉が濃緑色のビロード状で葉脈だけが銀白色に浮き出してみえ,ナガバオオウチワも葉は肉厚,濃緑色ビロード状で非常に美しい。

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