アンダルシア自治州(読み)アンダルシア(その他表記)Andalucía

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンダルシア自治州」の意味・わかりやすい解説

アンダルシア〔自治州〕
アンダルシア
Andalucía

スペインの南部から南西部にかけての自治州。アルメリア,ウエルバ,カディス,グラナダコルドバセビリアハエンマラガの8県からなる。1981年自治州となった。中心都市はセビリア,グラナダ,マラガ,コルドバなど。南は地中海ジブラルタル海峡に,南西は大西洋に面する。西はポルトガルとの国境。冬季は温暖,内陸低地は夏は高温になり,乾燥する。土壌や人種,文化など,アフリカとの類似性が強い。スペイン中部のメセタとはモレナ山脈で区切られ,海岸沿いには急峻なベティカ山系が走る。両者の間にグアダルキビル川に沿う肥沃な低地が広がっている。フェニキア人,ギリシア人,カルタゴ人に続いて前3世紀にはローマ人が植民し,古代地中海文化の一中心地にまで発展した。711年,ジブラルタル海峡を渡って侵入したムーア人はこの地方にコルドバ,セビリア,ハエン,グラナダの 4王国を建て,勢力をさらに北に伸ばした。スペインのなかでもムーア人支配が最もあとまで続き,その影響が強く残っている地方である。グアダルキビル川河谷はスペインで最も肥沃な土地で,人口密度も高く,この地方に起源をもつ民謡,民俗舞踊フラメンコは世界的に有名。オリーブその他の果樹コムギオオムギなどの穀物栽培が盛んだが,大土地所有制が依然として残存する。鉱物資源に恵まれていることもこの地方の特色で,銅,鉄,亜鉛,ニッケルなど各種の鉱物を産する。漁業はマグロ・イワシ漁が主。工業は農産物加工が中心で,製粉醸造オリーブ油精製,缶詰製造など。面積 8万7590km2。人口 805万9461 (2007推計) 。

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