イワサザイ(読み)いわさざい(英語表記)New Zealand wren

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イワサザイ」の意味・わかりやすい解説

イワサザイ
Acanthisittidae; New Zealand wrens

スズメ目イワサザイ科の鳥の総称全長 8~10cm。ニュージーランドにのみ分布する。4種からなるが,そのうち 2種はマオリ族が移住してきてから絶滅し,現生種は灰褐色の地味なミドリイワサザイ Acanthisitta chloris と全身オリーブ色のイワサザイ Xenicus gilviventris だけである。林内の地上岩陰巨木の根の陰などを伝うように動き回る。標高 900~2400mの高山一年中生息するが,移入された哺乳類捕食にあって減少し,高山の環境に近い島に放されて保護がはかられている。体形ミソサザイに似るが,類縁関係が近いわけではない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イワサザイ」の意味・わかりやすい解説

イワサザイ
いわさざい
New Zealand wren

鳥綱スズメ目イワサザイ科に属する鳥の総称。同科Xenicidaeの仲間は、ニュージーランド固有の鳥で4種が知られるが、そのうち1種は絶滅している。現存する3種は全長8~10センチメートル、全体に暗緑色またはオリーブ褐色をしている。尾は非常に短く、嘴(くちばし)は細くて足は長めである。「サザイ」という名がついているが、ミソサザイよりもヤイロチョウに近い外観をしている。単独または小群で森林や低木林にすみ、枝葉や幹や岩を移動しながら、昆虫クモをとって食べる。岩の割れ目や幹の裂け目などに、側面に入口のある球状の巣をつくり、2~5個の卵を産む。抱卵、育雛(いくすう)は雌雄で行う。

[樋口広芳]

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