インタールード(英語表記)interlude

翻訳|interlude

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インタールード」の意味・わかりやすい解説

インタールード
interlude

幕間 (まくあい) 狂言。ルネサンス期の宮廷で愛好されたコミカルな寸劇。宴会の一晩の余興番組のなかにはさまれて演じられた短い道化芝居インテルメッソ intermessoから派生したもので,これが長い劇の幕間に挿入されるようになり,イタリアでは主として牧歌劇の間に演じられる音楽的なインテルメッツオ intermezzoやインテルメジオ intermedioとなり,フランスの笑劇アントレメ entremetsの発生に影響を与えた。スペインでは,同様の起源から,歌や踊りで終るコミカルなエントレメス entremésが生じ,やがて独立した一幕喜劇へと発展した。イギリスのインタールードは,中世の奇跡劇や道徳劇とエリザベス朝喜劇とを結ぶ過渡的形態で,中世演劇の教訓性,寓話性が薄れ,写実的な色彩が強かった。インタールードを独立した短い世俗劇へ発展させた最初の劇作家は,J.ヘイウッドである。チューダー朝には宮廷おかかえの国王のインタールード座 Players of the King's Interludesがあり,宮廷や貴族の館の宴席でヘイウッドの作品などを演じた。しかしメアリー女王時代には人気が落ち,エリザベス朝の 1580年を最後に消滅した。作品としては,ヘイウッドの『4人のP』 The playe Called the foure P. P.が有名。

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