翻訳|Eton College
イギリス、イングランド南東部、バークシャー(1974年まではバッキンガムシャー)の小さな町、イートンにある寄宿制の私立中等学校。ウィンチェスター校、ラグビー校、ハロー校などとともにイングランドを代表する名門パブリック・スクールの一つである。テムズ川を挟んで南側にはウィンザー城がある。最古の伝統を誇り、1440年にヘンリー6世によって、キリストを礼拝し教会と王国に奉仕する若者の教育を目的に、ケンブリッジ大学キングズ・カレッジの姉妹校として創設された。当初の生徒数は70人と定められ、彼らは国王奨学生とよばれた。のちに私費学生も受け入れるようになり、しだいに裕福な中産階級出身者が多くを占めるようになった。彼らはとくにオピダンoppidan(校外下宿学生)とよばれ、2000年現在1210人を数えるに至った。
イートン・カレッジの入学者の多くは、プレパラトリー・スクールとよばれる、公教育制度の枠外にある寄宿制の進学予備校から供給される。12、13歳でカレッジに入学し、6年一貫制の教育が行われる。ギリシア語・ラテン語の古典教育と団体スポーツ競技を中心としたジェントルマン教育がその最大の特色である。コンピュータ教育をはじめ、科学分野の教育にも力を入れている。「オックスブリッジOxbridge」(オックスフォード大学・ケンブリッジ大学の両校)に進学する者も多い。
学生が着用するシルクハットに燕尾服(えんびふく)の制服はよく知られる。また、将軍ウェリントンの「ワーテルローの勝利はイートンの運動場で勝ち取られた」という名文句も有名である。伝統的に政界・官界に進出する者が多く、著名出身者にはピット父子、グレー、シェリー、カニング、ハラム、グラッドストーン、ローズベリーなど枚挙に暇(いとま)がない。
[安原義仁]
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