ウェストヨークシャー(英語表記)West Yorkshire

翻訳|West Yorkshire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェストヨークシャー」の意味・わかりやすい解説

ウェストヨークシャー
West Yorkshire

イギリスイングランド中北部の地域名。ウェークフィールドカークリーズコールダーデールブラッドフォードリーズの 5地区からなる。中心都市リーズ。1974年の行政改革により,それまでのヨークシャー県ウェストライディング地区の中部をもって特別県として新設されたが,1986年に廃止され行政機能を失った。ペナイン山脈中部東斜面からヨーク谷にかけて広がり,ハンバー川水系のエア川やコールダー川が東流する。石炭紀石灰岩とミルストングリット(上部石炭系下部のケイ質砂岩)からなるペナイン山脈の東麓は夾炭層(→炭層)に覆われ,ここに広大な炭田地帯が広がっていた。中世修道院によって牧羊が行なわれるようになってのち,羊毛加工や毛織物生産が始まり,当初の家内工業による生産から,19世紀には蒸気機関の導入により工場制工業による生産へと変わり,イギリス有数の羊毛工業地帯に発展。20世紀後半になると採炭は急激に減少,毛織物生産もウェークフィールドに大規模な生産地があるものの,ハダーズフィールドハリファックス,ブラッドフォードではエンジニアリング,製紙,軽工業がより重要な産業となっている。リーズとウェークフィールドの機械工業なども重要。農業部門ではペナイン山脈の斜面で牧羊,谷や山麓酪農東部低地集約農業が行なわれる。面積 2025km2。人口 211万8600(2005推計)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウェストヨークシャー」の意味・わかりやすい解説

ウェスト・ヨークシャー
うぇすとよーくしゃー
West Yorkshire

イギリス、北部イングランドのメトロポリタン・カウンティ(大都市県)。ペニン山脈東麓(とうろく)に位置する。面積2034平方キロメートル、人口201万3693(1991)。先史時代から農業が営まれたが、中世に牧羊と結び付いて羊毛業がおこり、産業革命を経てイギリスの主要な繊維工業地帯となった。羊毛業はすでに斜陽化したが、現在もイギリスでは最大の規模をもつ。石炭の産出も多く、ブラッドフォード、リーズ、ウェークフィールドなどの工業都市が発達した。1986年、保守党政権により自治体機能は廃止されたが行政区名称としては存続している。

井内 昇]

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