ブラッドフォード(読み)ぶらっどふぉーど(英語表記)William Bradford

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラッドフォード」の意味・わかりやすい解説

ブラッドフォード
Bradford

イギリスイングランド中北部,ウェストヨークシャー地域中部の都市。周辺を含めてブラッドフォード地区を構成する。リーズの西約 15km,ペナイン山脈東麓の谷にあり,市街地は周囲の丘陵上にも広がっている。13世紀には市場町として繁栄。14世紀には毛織物工業が興り発展したが,17世紀末から 18世紀初期にかけて,それまでの紡毛織物に代わって梳毛織物ウーステッド)の生産が盛んとなり,その後アルパカモヘア,絹,ベルベットなどの生産も行なわれるようになった。羊毛買い付けの重要な中心地となり,海外との取り引きも盛んに行なわれた。20世紀後半になると織物工業は衰退し,エンジニアリング,製紙,印刷などの産業が発達。市庁舎,羊毛取引所などビクトリア時代の建物が多い。ブラッドフォード大学がある。地区面積 366km2。地区人口 49万3100(2006推計)。都市人口 29万3717(2001)。

ブラッドフォード
Bradford, William

[生]1827. マサチューセッツニューベッドフォード
[没]1892.4.25. ニューヨーク
アメリカの海洋画家独学で絵を学び,ニューヨークのナショナル・アカデミー・オブ・デザインの会員。マサチューセッツやラブラドール,ノバスコシアの海岸から見た船や海洋の絵を描いた。 I.ヘイスの北極探検に数回参加,北極圏に近いアメリカの海辺の風景を描いた最初の画家。代表作はロンドンのロイヤル・アカデミーに出品した『メルビル湾のパンサー号』 (1875) 。

ブラッドフォード
Bradford

アメリカ合衆国,ペンシルバニア州北境にある町。エリー湖の東約 160kmに位置する。地名は初期の移住民の故郷ニューハンプシャー州の川名に由来。ペンシルバニア油田の中心をなす。 1871年に石油が発見されて急速に繁栄し,81年には世界総生産の 40%に達した。その後産油量は減少したが,製油工場を中心として関連工場が集中。その他木材,煉瓦を産する。付近にアレゲニー州立公園,州内唯一のインディアン指定居留地がある。人口 9625 (1990) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラッドフォード」の意味・わかりやすい解説

ブラッドフォード(William Bradford)
ぶらっどふぉーど
William Bradford
(1590―1657)

アメリカ、プリマス植民地総督。イギリスのヨークシャー生まれ。イギリス国教会の礼拝や儀式に満足せず、分離派の「スクルービ・コングリゲーション」(非合法的に追放者を受け入れるピューリタンの信者の集まりの一つ)に参加。ロビンソン師と長老ブルースターから深い感銘を受けた。1620年メイフラワー号に乗ってオランダを出発。プリマス植民地建設に貢献し、とくにインディアンとの友好、産業の振興に優れた力を発揮した。著書『プリマス・プランテーション』Of Plymouth Plantationは有効な資料である。

[野村文子]

『曽根暁彦著『アメリカ教会史』(1974・日本基督教団出版局)』『George D. Langdon, Jr.Pilgrim Colony;A History of New Plymouth 1620―1691 (1966, Yale Publications, New Haven, Connecticut)』


ブラッドフォード(イギリス)
ぶらっどふぉーど
Bradford

イギリス、イングランド中部、ウェスト・ヨークシャー大都市県の工業都市。人口46万7668(2001)。ペニン山脈東麓(とうろく)、エア川の支流に沿って位置する。13世紀ごろから定期市開催地として繁栄し、14世紀に入ると毛織物工業がおこった。その後、動力の導入やユダヤ商人の進出などで羊毛工業、羊毛取引の中心地となった。18世紀以降はウーステッド織物製造が中心となり、周辺の同業12都市とあわせてイギリスのウーステッド生産の90%を占めるに至った。現在はほかにアルパカ、モヘア、ベルベット、化学繊維の生産も多い。ブラッドフォード羊毛取引所は、イギリスだけでなく世界の羊毛取引の中心である。ほかに化学製品、自動車、機械などの製造業もある。市内には15世紀のセント・ピーター教会、17世紀のグラマー・スクール、19世紀の建築で60メートルの鐘楼をもつゴシック建築の市役所など古い建物も多い。また、公園、緑地にも恵まれている。

[井内 昇]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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