ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェルチ」の意味・わかりやすい解説
ウェルチ
Welch, Jack
[没]2020.3.1. ニューヨーク,ニューヨーク
アメリカ合衆国の企業経営者。ゼネラル・エレクトリック GEの会長(1981~2001)。フルネーム John Francis Welch Jr.。アイルランド系の両親のもとに生まれ,マサチューセッツ大学アマースト校で化学工学を学び,1960年イリノイ大学で博士課程修了。同年マサチューセッツ州ピッツフィールドにある GEのプラスチック部門の技術者として入社。1972年統括責任者に,1979年副会長に,1981年 45歳にして会長兼最高経営責任者 CEOに就任した。徹底的な合理化と果敢な企業の合併・買収 M&Aにより,GEを家電から金融までを展開する巨大複合企業に育て上げ,20年間に GEの市場価値を 120億ドルから 4100億ドルに押し上げた。1999年ビジネス誌『フォーチュン』から「世紀の経営者」と評される一方で,就任当時業績好調だった会社の組織改革を断行し,大幅な人員削減を行なったことから「ニュートロン(中性子爆弾)ジャック」とも称された。また,市場占有率(シェア)が 3位以下の事業は切り離す「ナンバーワン・ナンバーツー戦略」や,企業の意思決定のスピードを速めるフラット型組織なども提唱した。著書に『ジャック・ウェルチ わが経営』Jack: Straight from the Gut(2003。共著)などがある。
ウェルチ
Welch, William Henry
[没]1934.4.30. ボルティモア
アメリカ最初の本格的な病理学者,細菌学者。エール大学からドイツに留学して 1876年から2年間,ブレスラウ大学で病理学を学ぶ。ここで R.コッホの最初の歴史的業績である炭疽菌の発見を証明する実験を見た。 79年から5年間,ニューヨークのベルビュー病院医学校の病理解剖学教授。 84~1916年,新設のジョンズ・ホプキンズ大学病理学教授。その間に初代医学部長をつとめた (1893~98) 。 1891年から 92年にかけて S.フレクスナーとともにジフテリア毒素の病理的変化を研究し,また G.H.ナトールと共同してガス壊疽の原因となる「ウェルチ菌」を発見した。
ウェルチ
Welch, Denton
[没]1948. イギリス
イギリスの作家。自伝『処女航海』 Maiden Voyage (1943) のほか思春期をテーマとする小説などを書いた。
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