ウッドランド文化(読み)ウッドランドぶんか

改訂新版 世界大百科事典 「ウッドランド文化」の意味・わかりやすい解説

ウッドランド文化 (ウッドランドぶんか)

北アメリカ東部の前1000年から後700年に年代づけられる先史時代文化総称。縄目文と布目文をほどこしたウッドランドWoodland土器,埋葬用マウンド(塚)などの土木工事,農耕の実施に特徴づけられる。ベリアル・マウンド文化ともよばれる。アーケイック文化についで,東部森林地帯に発展した文化で,メソアメリカから伝播したと考えられるトウモロコシを主体とする農耕を実施した。蛇や鳥をかたどった埋葬用マウンド(エフィジー・マウンド)や土塁などもみられる。マウンドには,土葬された人骨のほか,自然銅や雲母製の紋章や人物像,鳥や動物を表す石製パイプ,土偶,土版,各種の装飾品などの副葬品があり,高度の宗教儀礼体系の発達を示唆している。黒曜石,自然銅などの遠距離交易網の存在を示すものもある。この文化は前期(前1000-前300),後期(前300-後700)に分けられ,五大湖地方やオハイオ川流域では,前期はアデナ文化,レッド・オーカー文化などに,後期はホープウェル文化,エフィジー・マウンド文化などに代表される。
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関連語 小谷

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウッドランド文化」の意味・わかりやすい解説

ウッドランド文化
ウッドランドぶんか
Woodland culture

北アメリカ,オハイオ川流域を中心として紀元前後 500年ぐらいの間に存在した文化。とうもろこし耕作が重要な生業となっており,これを基礎としてある程度の階級分化が行われていた。墓はかなり大きな封土の中に造られていたが,地方によって若干変化がある。土器もつくられ,織物も織られた。これらの生活技術の多くは周囲の地域からもたらされたものと考えられている。

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