日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウマヅラコウモリ」の意味・わかりやすい解説
ウマヅラコウモリ
うまづらこうもり / 馬面蝙蝠
epauletted fruit bat
哺乳(ほにゅう)綱翼手目オオコウモリ科ウマヅラコウモリ属に含まれる動物の総称。同属Epomophorusの仲間は名前どおり顔が異常に長く、口が大きく、アフリカ特産で、9種がある。その一つ、ワルベルグウマヅラコウモリE. wahlbergiはソマリア、ケニアからアフリカ南部まで分布し、翼開長50センチメートル、前腕長8~9センチメートル、頭胴長13~16センチメートル、尾は痕跡(こんせき)的で5ミリメートル内外。吻(ふん)と口が大きく、上唇が垂れ下がり、果実を食べるのに適応する。体上面は黄褐色ないし暗褐色。耳の前に白斑(はくはん)があるほか、雄では肩の部分にも白い長毛がある。樹洞や葉の茂みに小群ですみ、マンゴー、イチジク、バナナなどの果実を好み、熟した果実を求めて小移動する。1産1子。
[吉行瑞子]