改訂新版 世界大百科事典 「うるか」の意味・わかりやすい解説
うるか
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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アユからつくる塩辛。主として内臓でつくる。アユの内臓を取り出し、水洗いして砂や泥を流出させ、30%程度の食塩を加えて樽(たる)に詰め、毎日かき回し、数日後、水を切り、瓶に詰め替え、密封して熟成させる。このほか、秋になり産卵期が近づき、生殖巣の成熟したものから「白うるか」や「子うるか」をつくる。白うるかは精巣(白子)、子うるかは卵巣(卵)のみでつくる。また、白子、卵、内臓などをともにしたもの(苦うるか)もある。アユの頭部と尾部を除き、内臓ごと細切りして塩辛にしたものは「切り込みうるか」という。うるかは近畿、中国、九州など各地でつくられ酒の肴(さかな)として喜ばれるが、岐阜産のものがとくに名高い。
食塩のとりすぎが問題とされるため、食塩量はいくぶん少なくなっているが、17%程度含むので、一度に多く食べぬほうがよい。なお、ビタミンAに富み、100グラム当り2000μgを含む。
[金田尚志]
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