C33H42N4O6(590.72).メゾビン(mesobilin)ともいう.糞尿中に存在し,エールリヒ反応陰性な褐色胆汁色素で,ウロビリノーゲンとともにウロビリン体とよばれる.胆汁色素ビリルビンが還元され,メソビリルビンを経て無色のウロビリノーゲンが生成し,これが酸化されて生じる.糞中ではほとんどがウロビリノーゲンの形で存在する.正常尿には微量しか存在しないが,ある種の肝臓機能障害などの場合には排出量が増加するので,鋭敏な肝機能検査法としてウロビリン体の定量が用いられる.尿を放置すると褐色になるのは,ウロビリノーゲンが空気酸化されてウロビリンになるためである.
クロロホルムから針状結晶として得られる.融点177 ℃.エタノール,クロロホルムに可溶,エーテル,水に難溶.ジオキサン中のλmax 330,452 nm.酢酸亜鉛とエタノール中で反応し,強い緑色蛍光を発する(λmax 509 nm,Schlesinger反応)ことでウロビリノーゲンと区別される.ほかに銅(Ⅱ)イオン,水銀(Ⅱ)イオンとも反応し,赤色を呈する.[CAS 1856-98-0]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
褐色の胆汁色素の一つ。化学式はC33H42O6N4。無色のウロビリノーゲン(ヘモグロビンなどに含まれるポルフィリンの代謝産物であるビリルビンの還元により生成される)が酸化されて生成する。胆液に含まれ,糞(ふん)の一部として排泄される。尿が排泄後褐色になるのは,尿中に少量含まれるウロビリノーゲンが空気中の酸素により酸化されるためである。なお肝臓障害などにより血中,尿中のウロビリノーゲン,ビリルビン濃度は上昇する。
執筆者:柳田 充弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これらは一部は再吸収されて,肝臓から胆汁へ,あるいは血清から尿中へ排出される。吸収されないウロビリノーゲンは,酸化され糞便中へウロビリンとして排出される。遊離型ビリルビンは水に不溶で,肝臓外で形成されたものは血清中で主としてアルブミンと結合して運ばれる。…
※「ウロビリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新