ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エイヤーワディ川」の意味・わかりやすい解説 エイヤーワディ川エイヤーワディがわAyeyarwady; Ayeyarwaddy チベット高原東端に源を発し,ミャンマー中央部を南流してアンダマン海に注ぐ川。イラワジ川 Irrawaddyとも呼ばれる。ミャンマー領内の本流部分は全長 2170km,流域面積 41万km2。本流はミャンマーの北端部カチン州と中国との国境付近からカチン高原を流れ,ミッチーナー,バモーを経てマンダレーにいたり,パコック付近でチンドウィン川と合流する。下流では三角州を形成し,網の目状に河川が分流している。上流は人口希薄なカチン高原,森林地帯を縫う急流であるが,中流は中部ミャンマー一帯の農業,運輸に大きな役割を果たす。三角州は 20世紀初頭から開発が進み,ミャンマー最大の米作地で,同国の生産量の約 70%を産する。6~10月の雨季にはほぼ中流まで水位が上がり,三角州では大部分が水没する。鉄道とともにミャンマーの交通の幹線となっており,上流はバモーまで貨客定期船が運航している。政府直営の内陸水運公社が河川運輸を管理しており,木材運搬船の航行と,チャウやイェーナンジャウンの油田からの石油輸送などを担っている。下流では運輸,交通網の整備や淡水漁業の開発がなされ,中流では灌漑などの開発が進められている。支流のムー川では 1965年から,ムー川総合開発計画が着工され,灌漑や,水力発電所,多目的ダムの建設などが行なわれている。支流のチンドウィン川は,インドのアッサム州との国境沿いの丘陵地帯を流れ,流域の生活,経済に大きな役割を果たしている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by