日本大百科全書(ニッポニカ) 「エシャロット」の意味・わかりやすい解説
エシャロット
えしゃろっと
échalote フランス語
[学] Allium cepa L.
Allium ascalonicum L.
ユリ科(APG分類:ヒガンバナ科)の多年草。英名はシャロット。タマネギの一系統で、鱗茎(りんけい)は長さ約3センチメートルと小さく、外皮は赤褐色、中は数球に分球している。葉は円筒形で細く、径5ミリメートル、長さ15~30センチメートル。開花はまれで、夏にタマネギに似た花茎を出し、白い花をつけるが、結実せず、地上部は枯れて夏期は休眠する。秋に分球して植え付けると冬には葉や若球全体を収穫できる。成熟した鱗茎を収穫する場合は、翌年の5月すぎとなる。日本でエシャロット(エシャレット)と称して売られているものは、ほとんどがエシャロットと同属のラッキョウを軟白したものである。
[星川清親 2019年1月21日]
ベルギー・エシャロットともよばれ、香辛料としてフランス料理によく使われる。オニオンやガーリックと同じような強い刺激臭をもち、その鱗茎(りんけい)をすりおろしたり、細かく刻んでポタージュやグレービーソース、ホワイトシチューなどの香味づけに用いる。若葉も柔らかく香味野菜としてサラダにも使う。
[齋藤 浩 2019年1月21日]