日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルマン」の意味・わかりやすい解説
エルマン(Abel Hermant)
えるまん
Abel Hermant
(1862―1950)
フランスの小説家。軽妙さとシニスムに満ちた文体で、ベル・エポック(よき時代)の上流社会風俗を描いた。『大西洋航路客船』(1897)、『豪華列車』(1908)、連作『社交界史のための覚え書』(1901~37)など。1927年アカデミー会員となり『文典』(1932)執筆の中心となった。フランス語の純粋擁護論者として『フランス語擁護』(1938)などがある。しかし44年、対独協力を問われてアカデミーから除名された。
[小林 茂]