オスプレイ(読み)おすぷれい(英語表記)Osprey

翻訳|Osprey

共同通信ニュース用語解説 「オスプレイ」の解説

オスプレイ

固定翼機と、ヘリコプターのような回転翼機の特徴を兼ね備えた航空機。人員物資を運ぶ。主翼両端にあるプロペラ角度を変えて垂直離着陸やホバリングができ、固定翼では着陸できない場所でも活動が可能。ヘリに比べて速度に優れ、航続距離も長い。在日米軍はこれまでに海兵隊仕様のMV22と、空軍仕様のCV22を配備陸上自衛隊も木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定配備している。開発段階から墜落事故やトラブルが相次ぐ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オスプレイ」の意味・わかりやすい解説

オスプレイ
おすぷれい
Osprey

固定翼機でありながら、垂直に離着陸できるアメリカ軍の主力輸送機V-22の愛称。主翼両端についたローターとエンジン部を、水平方向から垂直方向に動かすことで、ヘリコプターのような垂直離着陸やホバリング機能と、プロペラ飛行機のような航続距離の長い水平高速飛行機能を実現している。このような形式はティルト・ローターとよばれる。アメリカのベル社とボーイング社の共同開発で、初飛行は1989年。愛称は、垂直に降下して餌(えさ)をとる習性のある鳥のミサゴ(osprey)にちなんでいる。全長17.5メートル、全高6.7メートルで、最高速度は、2012年時点でアメリカ軍が保有する輸送用ヘリコプターの約2倍の時速520キロメートルに達する。空中給油などによる最大航続距離は約3900キロメートル。最大収容人数は28人(乗員含む)。アメリカ国防総省は2007年から海兵隊(海兵隊での仕様名称はMV-22)、空軍(空軍での仕様名称はCV-22)、海軍(海軍での仕様名称はHV-22)に実戦配備している。

 日本国内では、離島有事や災害に備え、2012年(平成24)からオスプレイの配備が順次進んでいる。アメリカ国防総省は沖縄県普天間(ふてんま)飛行場に24機を、東京都横田基地に6機(2024年までに10機に増強する計画)を配備。陸上自衛隊も2025年までに、長崎県相浦(あいのうら)駐屯地近くの佐賀空港に17機を配備する計画で、千葉県木更津(きさらづ)駐屯地に9機を暫定配備済みである。ただ、普天間飛行場所属のオスプレイが沖縄県名護(なご)市沖(2016)で、アメリカ海兵隊所属機がオーストラリア東海岸沖(2017)で墜落するなど、開発段階から相次いだ事故が、実戦配備後も続いている。このため配備先の自治体や漁業関係者・地権者などから「安全性に不安がある」として飛行や配備に反対する声が出ている。

[矢野 武 2022年11月17日]


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オスプレイ

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