アメリカの劇作家。ユダヤ系移民の子としてフィラデルフィアに生まれ、ニューヨークの高校を中退して俳優となり、やがて劇作も手がける。1931年、不況下に結成された進歩的演劇集団「グループ・シアター」に参加。1935年、タクシー労働者のストライキに取材し急ぎ執筆した一幕劇『レフティを待ちつつ』(懸賞当選作)が上演されて名をあげた。同年、ユダヤ人労働者一家を扱った前作『醒(さ)めて歌え』も取り上げられ、以後いくつもの作品が上演されて、同集団の代表的作家となる。1937年の、成功の夢を追い、社会の重圧に押しつぶされる若いボクサーの悲劇『ゴールデン・ボーイ』が好評で、映画化(1939)され、第二次世界大戦後のミュージカル版(1964)もヒットした。その間、ハリウッドに移り、映画『将軍暁(あかつき)に死す』(1936)などのシナリオを書き、劇団の経営を助けた。劇壇復帰後の秀作には映画化(邦題『喝采(かっさい)』)された『田舎(いなか)娘』(1950)、『花咲く桃』(1954)などがある。
[森 康尚 2015年10月20日]
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アメリカの劇作家。1930年代の進歩的劇団グループ・シアターに属し,社会意識の濃厚な作品を発表した。タクシー運転手のストライキを扱った《レフティを待ちながら》(1935),小市民の家庭の子の社会的覚醒を描いた《醒めて歌え》(1935),若いボクサーが金のせいで堕落するという《ゴールデン・ボーイ》(1937)などが代表作。以後の作品はメロドラマ的で,30年代の人気は保てなかった。
執筆者:喜志 哲雄
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