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社会意識 しゃかいいしきsocial consciousness

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

社会意識
しゃかいいしき
social consciousness

集団社会階級が共有する意識。個人意識の対語。このような社会意識は,集団,社会,階級などの成員に共通した社会生活の諸条件,つまり社会的存在によって規定されている。しかし,成員がそれを共通の意識として認知するにはいたっていない。その点ではイデオロギーとはいえない。

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デジタル大辞泉の解説

しゃかい‐いしき〔シヤクワイ‐〕【社会意識】

慣習・道徳・思想・世論などにみられる、社会共通の意識。
社会に対する関心考え方

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃかいいしき【社会意識】

ある社会集団の成員に共有されている意識として定義される。すなわち,さまざまな階級,階層,職業,民族,世代,その他の社会集団の成員が,特徴的にもっている意識である。たとえば〈日本人の国民性〉〈ユダヤ人民族性〉〈プロレタリアート階級意識〉〈農民意識〉〈職人気質〉〈官僚性〉〈江戸っ子気質〉〈戦後世代の意識〉等々とよばれるものが社会意識の例である(ここでいう社会集団とは社会学的に厳密な意味での集団のみでなく,社会層,社会的カテゴリー,全体社会をも含む広義の〈社会集団〉である)。

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大辞林 第三版の解説

しゃかいいしき【社会意識】

一定の社会の成員が共通してもつ、思考・感情・意志などの総体。慣習・道徳・イデオロギー・階級意識など。
社会の一員であるという自覚。集団意識。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社会意識
しゃかいいしき
social consciousness

さまざまな階級、階層、民族、世代その他の社会集団が、それぞれの存在諸条件に規定されつつ形成し、それぞれの存在諸条件を維持し、あるいは変革するための力として作用するものとしての、精神的な諸過程と諸形象(共有された思考、感情、意志の諸様式の総体)を意味する。広義の社会意識は、(1)個人意識(自我意識もしくは実存意識としてとらえられる場合もある)、(2)生活意識(人々の生活過程から生成する日常性の意識)、(3)狭義の社会意識(社会心理とイデオロギー諸形態)、という三つの構成要素からなる。[田中義久]

個人意識

個人意識は、人々の意識にとっての即自的な空間と時間のなかで展開される現実的もしくは非現実的な態度の複合体complexである。プルーストやジョイスの文学、あるいはフロイトやラカンの精神分析が明らかにしているように、個人意識は、第一に、人々の自我や実存に対する「過去」「現在」「未来」という時間の座標軸の規定性のもとに成立する意識であり、第二に、人々の個体としての身体性に対するさまざまな人間関係、社会関係の網の目の投影によって生み出される意識である。それは、分析的には、心理学や精神医学による態度の解明によってとらえられるが、意味理解の文脈からすれば、その個人の生活世界の広がりや方向づけ、価値や信念、生と死に対する構えなどを加味して、総合的に解明されることを必要とする。[田中義久]

生活意識

生活意識は、人々の生活空間と生活時間のなかでの、それぞれに具体的な生活過程に根ざし、そこから生成してくる意識である。生活過程とは、(1)食事・睡眠などの自然的再生産、(2)労働・家事などの社会的再生産、(3)コミュニケーションなどの精神的生産・消費、(4)レジャーなどの自己回復、という四つの領域における人々のさまざまな社会的行為を内容とし、そこから形成されてくる社会諸関係を含むものである。したがって、生活意識は、男性と女性という性別、少年・青年・中年・老年などの年齢層の影響をきわめて強く受けている意識であり、人々のライフ・ステージに対応して変化するものである。とくに、その社会の制度的規範との関係において、制度化された意識と非制度化された意識の分布が、この生活意識を分析する場合のポイントとなるであろう。[田中義久]

狭義の社会意識

狭義の社会意識は、社会心理とイデオロギー諸形態とからなり、いずれも諸個人に対して外在的であり、また、拘束性を有するという特色をもつ。ここで、社会心理とは、ある社会や集団に共有された思考、感情、意志の総体化された表現であり、イデオロギー諸形態とは、法律、宗教、芸術などの多少とも体系化された観念である。したがって、これらの社会心理やイデオロギー諸形態からなる狭義の社会意識は、デュルケームの集合表象にみられるように、個人意識や生活意識に対して、確かに外在的であり、それらに対する拘束性をもつものである。ただし、同時に、これら個人意識、生活意識および狭義の社会意識という三つのレベルの間には緊密な内面的連関があり、一つの「意味の循環」の回路が存在することを看過してはならない。
 そして、これら三つのレベルのすべてにおいて、「意識das Bewutsein(ドイツ語)とは、意識された存在das bewute Sein(ドイツ語)のことである」というマルクスとエンゲルスの指摘(『ドイツ・イデオロギー』1845~46)は、きわめて重要である。存在とは、人々の生活世界のなかでの社会的行為であり、そこから生成される社会諸関係の束にほかならない。[田中義久]
『日高六郎著『現代イデオロギー』(1960・勁草書房) ▽田中義久著『社会意識の理論』(1978・勁草書房) ▽城戸浩太郎著『社会意識の構造』(1970・新曜社) ▽K・マルクス、F・エンゲルス著、古在由重訳『ドイツ・イデオロギー』(岩波文庫)』

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世界大百科事典内の社会意識の言及

【社会心理学】より

…大別すると,社会的因子を重視しつつ個人の心理や行動の理解をめざす心理学的な社会心理学の立場,および社会構造やその変動の心理的諸帰結,もしくは集合行動や集合的心理現象それ自体に関心を示す社会学的な社会心理学の立場が区別されよう。社会的知覚,態度,パーソナリティ(性格)などが前者の代表的な研究対象であるとすれば後者のそれは社会意識,集合行動,社会運動などであろう。なお両者の接点に位置する対象として相互作用やリーダーシップの現象があり,双方からのアプローチがなされている。…

※「社会意識」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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