おはけ(読み)オハケ

デジタル大辞泉 「おはけ」の意味・読み・例文・類語

お‐はけ

祭りのとき、頭屋とうやの家の前に立てる標識。普通は、青竹の先に御幣神符をつける。近畿から中国北陸にかけて広く行われる。

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精選版 日本国語大辞典 「おはけ」の意味・読み・例文・類語

おはけ

  1. 〘 名詞 〙 祭日の折、当屋(とうや)の家の前に、清浄であることの印として立てる標識。当屋が神宿であることの標示物で、ふつうの形は、青竹の先に御幣や神符をつけ、土壇を設ける場合もある。
    1. [初出の実例]「よろひいれたるながもちに、をはけたてしめひかせ」(出典:幸若・ほり川(室町末‐近世初))

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百科事典マイペディア 「おはけ」の意味・わかりやすい解説

おはけ

白幣,八界,八境,祓禊などと記す。秋田茨城四国・中国の各県と大分に分布する。氏神をまつる場合の神霊依代(よりしろ)とされるもので,笹竹(ささだけ)の先端に御幣をつけて,多くは頭屋(とうや)の庭先戸口に立てる。ハッカイ,ボンデンと呼ぶ地方もある。

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世界大百科事典(旧版)内のおはけの言及

【神棚】より

…(3)ある特定の期間だけまつられる歳神棚,七夕棚,盆棚など年中行事に関与した神棚。またオハケなどと称して神社の祭りの際に,特定の家・期間だけに設けられる神棚もある。【宇野 正人】 住宅内に神棚が設けられるようになってから,あまり永い歴史はないものと考えられる。…

【宮座】より

…頭屋はきびしい潔斎(けつさい)の生活をおくり,神社から神体を自分の家に移し,次の祭りまで1年間まつることもある。頭屋になるとそれを示すために家の庭にオハケと呼ばれる竹や木にサカキ(榊)にしでをつけたものをたてる風習も,秋田,茨城から九州にいたる広い地域にみられる。頭屋は一軒の家としてうけるが,その家が一族の本家であると分家の家々がこれを援助し,これを助頭(すけとう)とか脇頭(わきとう)と呼ぶこともある。…

【依代】より

…長い棒の先端にシデをつけ,御幣と呼んでこれを依代とすることも多い。村の祭祀で頭家(とうや)となった家にたてられるオハケも依代であり,長野県の諏訪大社で6年ごとの大祭にたてられる御柱(おんばしら)や,変容はしているが京都の祇園祭の山鉾(やまぼこ)もその高く掲げた棒を依代としたものである。【西垣 晴次】。…

※「おはけ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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